嘆きの人(読み)なげきのひと(その他表記)Der Schmerzensmann

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「嘆きの人」の意味・わかりやすい解説

嘆きの人
なげきのひと
Der Schmerzensmann

キリスト教美術の主題。単独像として表現された受難のキリストで,イマゴ・ピエタティス (受難のキリスト像) の一つ (→嘆きの聖母 ) 。しばしばいばらの冠と外套または腰布を着け傷を負った立像として表現される。ときに聖母,使徒ヨハネ,天使らがかたわらからこれを支え,石棺の中からなかば立上がった姿で表わされることもある。ビザンチンではすでに 12世紀にその例が認められるが,14世紀以降,特にドイツにおいて多く制作された。 15世紀以降には坐像で聖痕のないものもある。釘,縄のむち,そのほかの受難具を伴うことが多い。作例は M.グリューネワルトのイーゼンハイムの祭壇画など。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android