嘆きの聖母(読み)なげきのせいぼ(その他表記)Mater dolorosa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「嘆きの聖母」の意味・わかりやすい解説

嘆きの聖母
なげきのせいぼ
Mater dolorosa

キリスト教美術の主題。イエス・キリストの受難を嘆く聖母の表現 (→嘆きの人 ) 。苦痛,悲哀の表情を示している聖母を総称的にこう呼ぶが,特にイエスの受難の史伝的図像から独立した祈念像 (イマゴ・ピエタティス) をさす。その形式は次の3つに大別される。 (1) 聖母がただ1人で表現されるもの。「マリアの七つの悲しみ」を象徴する7本の短剣が胸を貫いている場合が多い。 (2) 十字架を中心として右側に聖母が立ち,左側に聖ヨハネが立つもの。この場合マリアのマントは紫色で,特にスタバート・マーテルと呼ばれる。 (3) 聖母マリアが腕の中,または膝の上,または足もとにイエスの死体を横たえて見守るもの。特に,いわゆる「悲しみの人」としてのイエスと組合わされる場合がこれに該当する。

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