化学辞典 第2版 「四塩化チタン」の解説
四塩化チタン
シエンカチタン
titanium tetrachloride
TiCl4(189.69).塩化チタン(Ⅳ)ともいう.金属チタン,二酸化チタンと炭素との混合物などを加熱して,塩素ガスを作用させると得られる.純粋な四塩化チタンは無色の液体.密度1.73 g cm-3.融点-25 ℃,沸点136.4 ℃.水には溶解するが,加水分解されて塩化水素を発生する.湿った空気中では加水分解され塩化水素の白煙を生じる.エタノールに可溶.四塩化チタンに濃塩酸を加えると,クロロチタン酸イオン [TiCl6]2- を生じ黄色となる.金属チタンの原料,煙幕剤,チーグラー-ナッタ触媒の成分,媒染剤,顔料,塗料,酸化チタン触媒の原料などに用いられる.[CAS 7550-45-0]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報