翻訳|mordant
媒染染料は金属塩と接触し化学反応を起こし,不溶で堅牢な金属錯塩を形成することを特徴とし,化学構造も金属錯塩をつくりうる形をとっている。媒染Beizen(ドイツ語)に使用する金属塩を媒染剤という。媒染剤のおもなものは,アルミニウム塩(ミョウバン,酢酸アルミニウム,アルマイト染色のアルミニウム地金),クロム塩(クロムミョウバン,重クロム酸塩,塩化クロムなど),鉄塩(硫酸鉄,酢酸鉄など)である。これらの金属塩の作用により金属錯塩となった色素は元の色素とは色も性質も異なるし,金属によっても異なる。媒染剤の処理は,一般に染色物(または可染物)と水中で煮沸,またはこれに近い温度で加熱処理して行われる。
執筆者:新井 吉衞
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… 染色に供せられるおもな植物,および色素を含有する部分を挙げると,茜(アカネ),紫草(むらさき),鬱金(ウコン)等の根,渋木(楊梅(やまもも)),阿仙(カテキュー),黄蘖(キハダ),丹殻(たんがら)等の樹皮,藍(アイ),刈安(カリヤス)等の葉,蘇芳(スオウ)の樹幹,矢車附子(やしやぶし),梔子(クチナシ),橡(つるばみ)(クヌギ),檳榔(びんろう)の実,紅花(ベニバナ)の花,などがある。これらのうち黄蘖,梔子,鬱金などは抽出した染液でそのまま染まり,藍は空気中の酸素にふれて酸化することによって発色するが,大部分の植物染料は発色,定着させるために媒染剤が必要とされる。媒染剤の使用法や発色法には個々に秘伝があって一様ではないが,一般にミョウバンのようなアルミニウム塩系の媒染剤で明るい赤や黄,クロム系の媒染剤で暗紫色や褐色,鉄媒染で黒色を呈する。…
※「媒染剤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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