四放サンゴ類(読み)しほうさんごるい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「四放サンゴ類」の意味・わかりやすい解説

四放サンゴ類
しほうさんごるい

腔腸(こうちょう)動物門花虫(かちゅう)綱の1亜綱Tetracoralliaを構成する絶滅した動物群。すべて化石種よりなり、サンゴ体の表面に皺(しわ)が寄ったような構造をもつものが多いため、皺皮サンゴ類(しわかわさんごるい)Rugosaともよばれる。この類は莢(きょう)の中に最初、背腹を連ねる1枚の軸隔壁ができ、ついで側方の腹側寄りと軸隔壁をつなぐ2枚の隔壁ができる。さらに成長するにしたがってほかに数枚の隔壁ができるが、やがて軸隔壁は背側に幅広く腹側に幅の狭い二つの隔壁にくぎれ、側方と軸隔壁をつなぐ2枚の隔壁も中央部で2分され、結局4枚の隔壁となる。腹側の幅の狭いものは主隔壁、背側の幅広いものは反主隔壁、側方のものは腋(えき)隔壁とよばれ、この4枚の隔壁でくぎられた四つの莢の内面にそれぞれ新しい隔壁がつくられる。このことから四放サンゴ類の名がつけられたが、別に同じ意味で四射サンゴ類ともよばれた。古生代オルドビス紀初頭から出現し、シルル紀デボン紀にもっとも繁栄し、ペルム紀(二畳紀)の終わりに絶滅。六放サンゴ類と類縁があると考えられている。約40科500属数千種が知られ、多くの種は確実な標準化石となる。

[内田紘臣]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「四放サンゴ類」の意味・わかりやすい解説

四放サンゴ類
しほうサンゴるい

「ルゴースサンゴ類」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android