国内標準主義(読み)こくないひょうじゅんしゅぎ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国内標準主義」の意味・わかりやすい解説

国内標準主義
こくないひょうじゅんしゅぎ

国家は,その国内に居住する外国人権益に関して相当の注意をもって保護すべき国際法上の義務を負っているが,その場合,自国民と同等の待遇を与えるだけで十分であり,自国民に付与する以上の保護を与えるべき国際法上の義務は存在しないとする考え。国内標準主義は,外国人の待遇に関しては文明国の標準を下回ってはならないとする国際標準主義に対抗して主張されたもので,主権平等論を主たる根拠としており,後進資本主義諸国により強い支持を受けている。

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世界大百科事典(旧版)内の国内標準主義の言及

【内国民待遇】より

…日米友好通商条約では,両国それぞれの国民,会社,産品,船舶またはその他の対象が同様の場合にその領域内で与えられる待遇よりも不利でない待遇を与えることを締約している。内国民待遇がなされる場合でも,具体的に外国人にどの程度の保護を与えなければならないかという点については,国際標準主義と国内標準主義が対立し,各国の主張は必ずしも一致していない。しかし,国内標準主義にも,内外人平等にその人権と自由を侵害することを許す趣旨は含まれておらず,人類的基準による制約を受けているとみるべきである。…

※「国内標準主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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