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注意 ちゅういattention

翻訳|attention

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

注意
ちゅうい
attention

周囲の事物事象特定部分や複雑な心的活動の特定の側面に対して,選択的に反応したり注目したりするようにしむける意識 (またはそれを支える脳) の働きのこと。また,その働きにより選択性をもった特定の反応が維持されている状態,ないしは明瞭性をもった特定の心的活動が意識の中心を占めている状態をさす。意識心理学では理論構成のための中心的な概念の一つとされ,立場により種々の定義がなされてきた。刺激の特性や個体が本来もつ興味により生じる受動的な1次的注意,周囲よりの妨害のなかで意志的努力によって維持される2次的注意,また適切な刺激対象感覚器官を向けたり,調整したりする感覚的注意,多様な観念のなかのあるものに意識を集中させる観念的注意などの区別がなされた。最近では神経生理学的なアプローチも行われている。

注意
ちゅうい

柔道で,禁止事項を犯した場合の罰則の一つ。不用意に場外に出たり,初めから寝技に引き込んだりすると注意が与えられ,相手に有効を取られたことになる。負けまいと見苦しい姿勢をとったり,6秒以上相手の同じ側の襟やそでを取ったままの姿勢を続けたりすると,注意より軽い反則として指導の罰則を受ける。故意に場外に出たり,相手を場外に押し出したりするなどの注意より重い反則を犯した場合は警告が発せられ,相手に技ありを取られる。

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デジタル大辞泉の解説

ちゅう‐い【注意】

[名](スル)
気をつけること。気をくばること。「よく注意して観察する」「日々健康に注意する」
悪いことが起こらないように警戒すること。用心すること。「交通事故に注意する」
気をつけるように傍らから言うこと。忠告。「過ちを注意する」
ある一つの対象を選択し、認知・明瞭化しようと意識を集中する心的活動。同時に、その他のものは抑制・排斥される。

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世界大百科事典 第2版の解説

ちゅうい【注意 attention】

認知科学や神経科学で〈注意〉とは,入力の取捨選択によって特定の感覚刺激がより深く処理されたり,特定の課題遂行や行動がより制御されたかたちで達せられる機能をさす。これはわれわれが日常会話で用いる〈注意〉という語の意味とほぼオーバーラップしている。 このような〈注意〉の機能が特に注目される理由は,複数ある。認知心理学で元来いわれてきたのは,感覚入力が情報量として無限大に近いのに,当面の課題をこなすために必要な情報だけが処理されることである。

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大辞林 第三版の解説

ちゅうい【注意】

( 名 ) スル
心を集中させて気をつけること。気を配ること。留意。 「細心の-を払う」 「健康に-する」
警戒すること。用心すること。 「横断の際は車に-しなさい」
傍らから気をつけるよう教えること。忠告。 「 -を与える」 「服装を-される」
〘心〙 精神のはたらきを高めるため、一つの観念やものに意識を集めて他のものを抑制する選択的集中の状態。
柔道で、選手が禁止事項を犯したとき、審判員から受ける宣告の一。禁止事項を犯した度合が、さらに犯せば「警告」となるとき、あるいは二回目の「指導」を受けたときに宣告される。相手に有効を取られたのと同じになる。
[句項目]

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

注意
ちゅうい
attention

特定の事柄に対してをつける、気を配る心的活動を意味し、注意が向けられる事柄は心的活動の広い範囲にわたる。目前の環境に対しては特定の刺激・刺激布置に向かうことを意味するが、以前の経験について想起される特定の事柄に向かうことを意味する場合もある。[小川 隆]

注意をひくもの

注意が向けられる事柄は、一方には環境の状況に支配されるし、他方には人および動物の内的状態・経験に依存する。感性面で注意は環境刺激の弁別・認知に関係し、注意の範囲は認知の範囲を超えるわけではないが、その範囲のなかで注意を向けられない、弁別可能で認知可能な事物が無視されることもある。すなわち、人および動物にとって注意される事柄が環境のなかから選択される。閃光(せんこう)、爆音、地震などの環境刺激や変化は注意をひきやすいし、横断路の標識や広告などには注意をひきやすい刺激布置が配慮されている。その反面、たとえば、注意しないで通り過ぎていた店も、いったん買い物の必要を生じると注意が向けられる。[小川 隆]

注意の移動と持続

注意は刻々に移動する。音楽を聴きながら読書をすると、音楽のある部分が注意されたり読書のある部分が注意されたり、また、それぞれの他の部分が注意されないこともあり、まれには両方が注意されたり、逆に両方とも注意されないこともある。注意の移動は、同じ様相の感覚ではいっそう明瞭(めいりょう)である。談話中に並行して近くの人々の談話を注意するのはきわめてむずかしい。
 両耳に並行して別々にイヤホンを通した音刺激を与えた実験では、あらかじめ教示した内容だけが注意されること、また、内容を短時間で中断して左右の耳に交代に与えると注意を防害することも確かめられている。しかし、自分の名前のような音刺激はこれと関係なく注意されることも確かである。
 注意をどれだけ持続できるかの度合いを覚醒(かくせい)度vigilanceという。技術作業面で近来、覚醒度がとくに要求されている。たとえば、瞬間視で指示針の振れを報告する実験で、指示針の振れが時空的に不規則に任意の位置に呈示される場合には、規則的に定位置に呈示される場合よりも覚醒度を上げることが確かめられた。一方、瞬間視を通じて語の認知閾(いき)の測定で、積極的価値を示す語の閾値は消極的価値を示す語に比べて低いことが報告されているが、この場合は要求阻止の機制によって覚醒度が下げられたともみられる。[小川 隆]

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