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国家賠償訴訟 こっかばいしょうそしょう

知恵蔵の解説

国家賠償訴訟

国家賠償法は、憲法17条を受けて、国又は公共団体が、公務員の公権力の行使に基づく損害(1条)及び公の営造物の設置管理の瑕疵(かし)による損害(2条)を賠償する責任を負うことを定めている。1条関係では、近年、公権力の不行使の違法性が争われ、じん肺訴訟や水俣病関西訴訟において、最高裁は、法が与えた権限の趣旨・目的に照らし権限不行使が著しく不合理な場合に賠償責任を認めた。また、在外邦人選挙権訴訟(在外選挙制度)最高裁判決は、立法行為に基づく損害賠償についても、憲法上の権利を違法に侵害するものであることが明白な場合や、憲法上の権利行使の機会を確保するために立法が必要不可欠であることが明白であるにもかかわらず、正当な理由なく長期にわたって怠る場合などに、賠償が認められるとした。2条関係では、洪水について国の河川管理責任を問うた大東水害訴訟や多摩川水害訴訟、空港の騒音公害に関する大阪国際空港訴訟・厚木基地訴訟、鉄道や道路の騒音等に関する新幹線公害訴訟・国道43号公害訴訟などがある。これらの公害訴訟では、空港や道路等の供用の差し止めもあわせて求められているが、最高裁は認めていない。

(土井真一 京都大学大学院教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

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