朝日日本歴史人物事典 「国府尼御前」の解説
国府尼御前
鎌倉時代の佐渡(新潟県)に住む日蓮の信者。夫の国府入道と共に,佐渡に流された日蓮に帰依し,国の責めをはばからず,献身的に奉仕したという。日蓮が許されてのち,建治1(1275)年の日蓮書状によると夫を使いとして身延山に単衣を届け,弘安1(1278)年には自身も身延を訪れている。千日尼とも親しかったようで,同3年の日蓮の千日尼あての書状に国府尼御前のことを「こひしこひし」と伝えよとの文言がある。<参考文献>『日蓮聖人遺文』,高木豊「日蓮と女性檀越」(宮崎英修先生古稀記念会編『日蓮宗の諸問題』)
(西口順子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報