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国民性研究 こくみんせいけんきゅうnational character study

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

国民性研究
こくみんせいけんきゅう
national character study

第2次世界大戦中,アメリカ政府の「自国民および相手国をよりよく知るため」という政策要請にこたえて行なわれた,自国民・同盟国・敵国の研究プロジェクトで,R.ベネディクト,M.ミード,C.クラックホーンらの「文化とパーソナリティー学派の人類学者を含む学際的な研究グループが参加した。このときの産物であるベネディクトの日本人のパーソナリティー研究,『菊と刀』は有名。敵国での現地調査が不可能だったため,捕虜や移民に対するインタビューも行なわれたが,文学作品や映画・新聞などフィールド以外のあらゆる資料とともに間接的調査にならざるをえなかった。国民性研究には批判も多く,同質集団である部族社会のデータを基にした「文化とパーソナリティー」の理論を複雑な近代諸国家に拡張適用することなどの問題点が指摘されている。国民性研究は戦後もロシア人研究等のプロジェクトとして継続されたが,1960年代後半以後,「文化とパーソナリティー」学派自体が衰退する中で,研究対象として後退していった。

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