国民所得理論(読み)こくみんしょとくりろん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国民所得理論」の意味・わかりやすい解説

国民所得理論
こくみんしょとくりろん

価格理論,価格分析に対置されて,所得理論 income theory,あるいは所得分析 income analysisなどと呼ばれる近代経済学の二大分析体系の一つ。所得は価格現象と並んで,経済秩序の調整機能の中心的な現象であり,国民所得は経済の活動産出量の水準を表わす。 J.M.ケインズはその規模を決定する有効需要の原理を提出し,国民所得理論を体系化した。内容的には,国民所得の生産,分配,支出に関する統計的分析,および国民経済活動の水準と構成がどのような大きさに決るのか,その因果的ないし相互依存的関連を検討する理論的分析に大別される。価格理論がミクロ (微視的) 分析であるのに対して,国民所得理論はマクロ (巨視的) 分析の方法を採用している。

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関連語 有効需要 原理

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