有効需要(読み)ユウコウジュヨウ

精選版 日本国語大辞典 「有効需要」の意味・読み・例文・類語

ゆうこう‐じゅようイウカウジュエウ【有効需要】

  1. 〘 名詞 〙 人間欲望のうち金銭的支出をともなうもの。経済学者ケインズが、経済活動水準は、有効需要によって決まるとした。〔戦後日本のインフレーション(1949)〕

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百科事典マイペディア 「有効需要」の意味・わかりやすい解説

有効需要【ゆうこうじゅよう】

一般的にはものを買うための貨幣支出という形をとった人間欲望の発現をいう。経済学では,消費支出,投資支出,政府の財貨・サービス購入,輸出合計をさす。この大きさによって国民総生産の大きさがきまるとする理論を有効需要の原理といい,ケインズが提唱した。→貯蓄投資の所得決定理論
→関連項目インフレ・ギャップ完全雇用近代経済学金利政策クラウディング・アウト資本の限界効率フィスカル・ポリシー

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「有効需要」の意味・わかりやすい解説

有効需要
ゆうこうじゅよう
effective demand

財やサービスに対する実際の貨幣的支出を伴って現実に市場に現れる需要のこと。単なる欲求ではなく,一商品一産業に対しても適用可能な概念であるが,J.M.ケインズの『雇用・利子および貨幣の一般理論』の出現以後は,この用語はもっぱら社会全体の需要の総計という意味で用いられている。国民経済全体の有効需要は,大別して個人や政府の消費支出,企業や個人あるいは政府の資本形成,および外国への財やサービスの輸出の3つから成る。有効需要に対し,なんらかの理由によって実際に貨幣的支出とならないでいる需要を潜在需要という。有効需要の概念はケインズ経済学の中心的理論の一つである有効需要の原理根底となる概念である。

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世界大百科事典(旧版)内の有効需要の言及

【経済学説史】より

…通常,重商主義は金が国富であると考える重金主義に基づく貿易差額重視の政策であるといわれるが,これについては貨幣量と物価の比例関係を主張する貨幣数量説による批判が当時からあった。ケインズは有効需要を確保する政策として重商主義政策の意義を高く評価している。また,自国の産業のために市場を確保する政策と解するならば,現代の貿易摩擦との関連も否定しえない。…

※「有効需要」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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