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国民所得 こくみんしょとく

8件 の用語解説(国民所得の意味・用語解説を検索)

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

国民所得

サラリーマンの所得や企業利益を含め、国民全体の所得の総額。国民総生産に補助金を加え、そこから間接税、固定資産の消耗分を控除したものが国民所得にあたる。一国の1年間の実質的な生産規模を表す指標。国民所得は生産・分配・所得という3面から把握できる。

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デジタル大辞泉の解説

こくみん‐しょとく【国民所得】

国民純生産から間接税を控除し補助金を加えたもの。生産・分配・支出の三つの側面のいずれでとらえるかによって、それぞれ生産国民所得分配国民所得支出国民所得とよばれるが、理論的にはすべて等価。NI(national income)。

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百科事典マイペディアの解説

国民所得【こくみんしょとく】

national incomeの訳でNIと略す。一国の経済において過去に蓄積された資本資産を減少させることなく,一定期間(通常1年)に新たに生産・分配・支出されていく財貨とサービスの合計。
→関連項目経済成長率国民純生産国民負担率国連分担金社会保障国民負担率乗数理論第三次産業貯蓄・投資バランス・アプローチ分配貿易依存度マーシャルのk労働分配率

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栄養・生化学辞典の解説

国民所得

 ある期間内に財やサービスによって得られる所得.

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世界大百科事典 第2版の解説

こくみんしょとく【国民所得 national income】

国内総生産(国内総生産・国民総生産)は,居住者である生産者に対する要素サービスの対価として分配されて,被(雇)用者報酬と営業余剰とから成る〈国内要素所得〉を形成する。被用者報酬とは,〈居住者である生産者〉が被用者に対して支払ったすべての現物,および現金の形の賃金・俸給,および上記生産者がその被用者に関して社会保障制度,民間の年金,損害保険生命保険その他類似の制度に対して支払ったり帰属したりした拠出金を含めた大きさをいう。

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大辞林 第三版の解説

こくみんしょとく【国民所得】

一国において一定期間(通常一年間)に新たに生み出された価値(付加価値)の総額。その観点によって生産国民所得・分配国民所得・支出国民所得がある。国民純生産から間接税を引き補助金を加えた額に等しい。狭義には分配国民所得をいう。国民総所得。 GNI 。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

国民所得
こくみんしょとく

国民可処分所得」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

国民所得
こくみんしょとく
national income

一国の経済社会が新たに生み出す経済的成果の総量を示すものであって、一定期間内に生産された最終的な製品とサービスの総価値額に相当するものである。労働、土地、資本の提供等によって生産に参加した全経済主体の所得となるところから、新たにつくりだされた経済的成果の全体に対して、一般的に与えられた名称。一般的な意味での国民所得は、一国経済が一定期間に生み出した財・サービスの成果を測定する基本的な尺度としての国内総生産GDP)を基本的な内容とするが、狭義には、現在の国民経済計算体系SNA)における統計上の一概念としての国民所得(NI)という名称も存在する。
 以下では、(1)一般的意味での国民所得について、その具体的内容と計測方法および関連指標について説明し(そのなかで国民経済計算の統計上での狭義の概念である国民所得についても触れる)、ついで、(2)一国の経済活動によって国民所得が生み出される循環過程のなかでの関連する経済諸変数間の基本的な関係を述べ、最後に、(3)国民所得という概念が生み出され、それに基づきいかなる経済学の新たな発展がおこったかについての過程と、その理論的・実証的展開がとくに経済政策に対する学問的基礎を提供することによって、現実経済社会の発展へいかに貢献するに及んだかという過程を、簡単に振り返ることにする。[高島 忠]

国民所得の諸指標と計測方法

一般的な意味での国民所得を示すものとして、今日、先進国を中心に世界的に共通に用いられている指標は国内総生産(GDP)である。以前は、日本では国民総生産(GNP)という指標が用いられていたが、1993年に国連において国民経済計算体系の新たな作成基準として通称「93SNA」が採択されたのに伴い、日本では2000年(平成12)10月からその新基準に移行することになった。それに伴い、国民所得の中心指標も、「国民」概念から「国内」概念に移行することになり、従来の国民総生産の測度は、国民総所得(GNI)として付加的に残されることになった。それにもかかわらず、一国の経済活動成果の一般的表現としては、現在もなお表題の「国民所得」が用いられ、厳密な統計的用語は別にして、「国内所得」という呼び方はなされていない。
 冒頭に記したように一般的概念としての国民所得は、一つの国が新たに生み出す経済的成果の総量のことであり、より具体的には一定期間内に生産された最終的な製品とサービスの総価値額のことである。すなわち、これを表す指標としてのGDPとは、一国内で一定期間内に生産されたすべての最終生産物・サービスの価値額である。これは、中間生産物計上による経済活動成果の二重計算を避けて、各生産段階で新たに生み出された価値額だけを計測することと同じ内容となり、GDPとはすべての生産活動で生み出された付加価値(統計概念としては粗付加価値)の合計ということになる。この付加価値は、それらの生産になんらかの形で参加した人々の貢献によるものであって、その貢献の成果はそれらの人々の所得に帰することになり、結局のところ、そのGDPの総額は一般的な意味での国民所得となるわけである。
 国民所得の一般的指標として以前に使われていたGNPとの違いは、文字どおり、現在のGDPが国内領土での生産活動についてその成果を集計するものであるのに対して、GNPはその国の国民や企業による生産活動の成果を集計するものである(両者の厳密な定義については、関連項目を参照のこと)。したがって、GNPとは、GDPに海外での雇用者報酬、海外投資による収益、海外企業活動からの利潤などの所得を加え、海外へ移転したそれらの所得を差し引いたものとなる。日本の経済活動の成果である国民所得を最新の状況である2007年度の国内総生産(GDP)でみると515兆8579億円であった。また、その年度の海外からの所得が26兆6302億円であり、これに対して海外への移転所得が9兆0205億円であったので、これらの純受取額をGDPに加えると533兆4676億円となり、これが国民総生産(GNP)でみた2007年度1年間の日本の国民所得(統計概念としての国民総所得)となる。
 生産活動は一般に機械設備や構築物(建物など)を用いて行われる。そして、これらの固定資産は永久に不変の性能をもって生産活動に使用できるものではなく、その生産能力は使用時間とともに低減するものであり、耐用年数にも限度がある。このことを考えると、それらの固定資産の生産能力を維持するためには、その能力減耗分を新たに補填(ほてん)する費用を投入する必要がある。この費用は固定資本減耗とよばれる。以上の一般的な意味での国民所得概念としてのGDP、GNPは、いずれもこの固定資本減耗分の費用を経済活動の成果を数える際に控除していないもので、そのことを示すのが「G」すなわち「総Gross」ということである。これに対して、経済活動の純粋の成果として固定資産(これには機械設備などの有形固定資産のほか特許権などの無形固定資産も含まれる)の減耗分も生産のための費用と考えて控除したものが「N」すなわち「純Net」という概念であり、経済活動の成果をそのように算出したものが、国内純生産(NDP)であり国民純生産(NNP)である。
 日本の2007年度におけるGDP勘定のなかでの固定資本減耗は107兆5186億円であったから、経済活動成果としての純生産は固定資本減耗を控除しない総生産に比べて、およそ8割であったといえる。国民所得の水準を表す指標としては、理屈のうえでは資本減耗分を控除した純生産のほうがより適切であるように思われるが、一国経済の生産能力との関連ではそれを控除しない現存固定資産額がより現実的との判断があるところから、国際的にも総生産概念のほうが広く用いられている。
 国民所得の狭義の概念としては、日本の経済活動の全貌を統一的に把握する現在の「国民経済計算」体系中の一項目として存在する。経済活動の成果は、循環過程のなかの生産、分配、支出の3側面から同等に把握されるものであるが、そのうち分配面を雇用者報酬、企業所得、財産所得の3項目に絞って集計したものが国民経済計算体系における一概念としての「国民所得(NI)」である(海外から受け取った所得の純額も含む)。これにはGDPに含まれる固定資本減耗や生産・輸入にかかわる税(補助金を除いた純間接税)が含まれないためGDPよりは小さくなり、2007年度の金額は374兆7682億円(要素価格表示)であった(純間接税が含まれるものは市場価格表示の国民所得)。[高島 忠]

国民所得形成の循環過程

一国の経済社会での諸活動の具体的状況は、生産、分配、支出の循環過程のなかで営まれている。人々の日々の経済的必要を満たすために企業等が財・サービスを生産・販売し、その成果はそれらの活動に貢献した個人や組織に対して分配され、分配された所得や利潤が個人・組織のそれぞれの経済的目的充足のために支出され、あるいは将来のために蓄えられる。そして、その支出はさらなる生産につながり、貯蓄も金融活動を通じた生産主体の生産設備増強等の投資活動などへとつながることによって生産へ結び付いてゆく。この循環過程のなかで、ある一定期間(統計上は1年あるいは4半期)のうちに生み出された経済的価値額が一般的概念としての国民所得であり、それは基本的にはこの循環過程のなかの生産、分配、支出のいずれの側面で把握することも可能であり、この関係は「三面等価の原理」ともよばれているものである。以下では、この国民経済活動の循環過程の本質を基本的な経済構造に基づいてみることによって国民所得の形成過程を理解すると同時に、国民経済計算体系のなかでの主要な国民所得関連概念の相互関係をも示すことにする。
 最初にもっとも基本的な経済循環過程を理解するために、政府活動も外国取引もない経済を考える。一定期間における企業の生産の成果は、売上げから他企業から購入した中間生産物金額を差し引いたものであり、社員への雇用者報酬として支払われた残りは企業の利潤となる(国民経済計算の項目では「営業余剰・混合所得」に相当)。これらの雇用者報酬と企業利潤の合計が付加価値とよばれるもので、これを生産活動主体について合計したものは最終生産物の販売額合計に等しくなる。それは、最終生産物を生産する企業が購入した中間生産物の価値額が、中間生産物を生産した企業の付加価値となって、順次に最終生産物の価値額のなかに入っていくからである。この面から把握した国民所得は、生産面および分配面からみた国民所得(GDPあるいはGNP)である。この大きさをYとする。このようにして販売された最終生産物は、消費されるか建物や機械設備などの固定資産として保持されることになるため、後者の新たな固定資産保有を一括して投資とよぶと、結局、生産所得Yは消費と投資とに分けられる。後の2項目をそれぞれC、Iと表示すると、
  Y=C+I……………(1)
この式は、右辺が支出面からみた国民所得であり、それが左辺の生産面(あるいは分配面)からの国民所得との同等関係を表すものとなっている。
 分配面から把握された国民所得Yは、消費か貯蓄のいずれかに回るだけであるから、貯蓄をSと表示すると、
  Y=C+S……………(2)
となり、以上の2式から
  I=Y-C=S………(3)
なる関係が得られる。この関係式は、一国経済の一定期間における循環過程においては、固定資産への投資活動の大きさと貯蓄額とは統計的に等しくなるということを示しており、簡単な式ではあるが経済分析や経済政策においてきわめて重要な意味をもつものとなる。ただし、ここでの投資Iの中身には、統計上、売れ残り品のような意図しない在庫投資も含まれることについては注意を要する。
 次に、以上のもっとも単純化した経済に政府部門と海外取引を導入した場合の循環過程をみる。政府部門の活動とは、市場から財・サービスを購入して社会が必要とする政府活動を無償で供与することを基本とし、それに必要な費用を税として国民から徴収するものである。この政府活動に関して政府購入の財・サービスをG、徴収する租税をTAとする。この租税徴収額は政府が生活補助などで国民側に政策的に給付する補助金などの分を差し引いた純額とする。また、海外との取引については、輸出等の受取りから輸入等の支払いを差し引いた純輸出等として、NXと表示する。このように先の基本経済を現実経済に近い形に拡張した場合、生産・分配面と支出面での国民所得の均等関係は(1)式にかわって次のように示される。
  Y=C+I+G+NX………(4)
この式の右辺は、GDP統計における「民間最終消費支出」、「総固定資本形成」(「在庫品増加」を含む)、「政府最終消費支出」、そして「財貨・サービスの純輸出」の各項目に対応し、国民所得としてのGDPそのものを形成することになる。
 この新たに生み出された生産活動の成果としての所得Yから租税TAを除いたものが、各経済主体によって自由に処分可能な所得となり、「可処分所得」に相当する。この可処分所得をYDで表すと、
  YD=Y-TA…………(5)
となる。そして、この可処分所得が消費Cと貯蓄Sに分けられるので、
  YD=C+S……………(6)
であり、(6)式からCを出し、その式のYDに(5)式を用いると、
  C=YD-S=Y-TA-S…(7)
という関係が得られる。この消費Cの関係式を政府部門と海外取引を導入したGDPの一般式(4)に代入して式を整理すると、最終的に次の関係式が出てくる。
  S-I=(G-TA)+NX…(8)
 この関係式の意味するところは、先の単純経済の場合は一国経済の一定期間の貯蓄はつねにその間の投資総額に等しくなるが、政府部門と海外取引を含む現実の経済社会の活動においては、貯蓄と投資が均等となるのは、政府財政が均衡し、しかも外国との輸出入を含む諸取引での受払いも収支均衡している場合に限るということである。そして、政府の財政が赤字である場合には、その分、社会全体としての貯蓄(国民による国債購入など)が増えるか固定資産投資が減少していることになる。また、海外取引に黒字がある場合には、その分、国内での投資にかえて海外に貯蓄をしたことを意味する。政府財政が黒字の場合や輸入超過などの場合には、国内経済は逆の状況となる。このように政策的意味を含めての政府活動(G、TA)や海外との経済活動(NX)は国内での貯蓄(S)および企業の設備投資などの投資活動(I)と密接な関係をもち、(4)式から明らかなように、貯蓄の裏返しとしての消費(C)および投資(I)とともに国民所得(Y)の大きさを直接に規定する要因となっている。とくに企業の投資活動の動向は、将来の一国国民の生産活動、したがって所得動向を左右することにもなるという意味において重要である。
 このように、国民所得を形成する経済活動の循環過程を追跡することによって、一般的意味での国民所得としてのGDPの形成過程が把握される。また、それだけでなく、国民所得の循環過程から導かれる構成要因間の諸関係を分析することによって、健全な国民所得の形成、発展への政策的含意までも導くことが可能となる。[高島 忠]

国民所得概念と経済学の発展

国民所得は一国国民の経済的福祉を基本的に規定するものであり、その計測や生成・変動の分析は、1776年に経済学がアダム・スミスの著書『諸国民の富(国富論)』によって初めて学問として体系化されて以来、一貫して経済学者の主たる関心事となってきた。一国経済社会の生み出す財・サービスの総量やその変動などを取り扱う経済学の分野は、マクロ経済学とよばれるが、そこにおいては前項で示したように国民所得構成の中心的要素としての消費と投資の形成・変動のほかに、貿易バランス、賃金、物価などに影響を及ぼす経済行動や国の政策に関心がもたれることになる。そして、国民所得の生成・変動を中心とする研究分野は国民所得分析とよばれる。
 このような国民所得分析を含みマクロ経済学、とくにその経済政策への理論的基礎を築いたのはJ・M・ケインズであった。それ以前にもD・リカードのほか新古典派とよばれるA・マーシャル、A・C・ピグーなど雇用や国民所得を取り扱った経済学者はいたが、ケインズが1936年に著した『雇用・利子および貨幣の一般理論』によってマクロ経済分析の様相は一変されたといってよい。なぜなら、ケインズ以前の経済学(ケインズはそれらをすべて「古典派経済学」とよんでいる)においては、たとえば、自発的失業の不存在、セーの法則などの特殊な前提のもとで、変動の行き尽くした極限の均衡状態を論じていたのに対して、ケインズは、現実の経済は絶えず変動状態にあるものであり、古典派の前提した諸条件は該当するものではないとして、その極限状態をも含む経済の「一般」状況を説明しうる「理論」を提示したからである。それは、「古典派」の理論体系が完全雇用均衡のみを論じたのに対して、ケインズは完全雇用均衡をも含む不完全雇用均衡の成立を論じたことに象徴される。さらに、ケインズは、貯蓄と投資の均等関係に基づく物的市場での国民所得分析だけでなく、著書の表題にあるごとく利子率の投資活動への影響を通して金融市場の分析へと結び付け、実物・金融両市場の同時均衡を通した国民所得の成立を論じることによって、マクロ経済学の一般理論の基礎を提供した。そして、その体系は、国の経済政策の理論的基礎として、第二次世界大戦後の資本主義諸国における長期にわたる経済成長をもたらすことになった。
 もう一つ国民所得理論発展への学問的貢献としてあげられるのは、W・レオンチェフによる産業連関分析である。彼は、1919年から1939年にわたるアメリカ経済の構造を分析したものを1941年に著書『アメリカ経済の構造』として世に出した。ケインズ経済学の場合にはマクロ経済の理論分析に主眼があったところから、その国民所得の把握は産業間の取引関係を捨象したものであったが、レオンチェフにおいては産業間の中間生産物に対する取引をも明示的に把握し、中間生産物および最終生産物の全取引を通じて国民所得が形成されていく過程を体系的な一覧表として把握したところに大きな特徴がある。この分析手法は、産業段階を含む一国経済構造の整合的な統計的把握に大きな貢献をしてきたものであるが、それだけではなく産業間の技術的特性をも理論モデルに導入することによって、経済成長理論の新たな展開への基礎をも提供してきたのである。
 以上の国民所得に関する経済理論の発展を背景として、国際的なレベルにおいて国民所得の統計的整備の仕事も積極的に行われ、1968年に国連において国民所得統計の国際的な整合性のために「国民経済計算の体系(68SNA)」という統計作成基準が採択された。それに基づき日本でも従来の「国民所得統計」が大幅に拡張、整備されることになったが、それに際しての産業連関表の役割は大きい。現在では、従来の「国民所得勘定」に対して、産業(財貨・サービス)ごとの投入・産出構造を記録した「産業連関表」が結合されただけでなく、金融活動に関する「資金循環統計」、海外取引に関する「国際収支統計」、ストック(資産)の動きを記録する「国民貸借対照表」が付加されて、国民所得の形成過程が体系的、整合的に、そして生産活動部門ごとにまで詳細に把握されるようになっている。[高島 忠]
『P・クルーグマン、R・ウェルス著、大山道広他訳『クルーグマン マクロ経済学』(2009・東洋経済新報社) ▽内閣府経済社会総合研究所編『国民経済計算年報』各年版(メディアランド)』

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世界大百科事典内の国民所得の言及

【経済厚生】より

A.C.ピグーによれば,この経済厚生とは社会を構成する各個人の効用の総和である。しかし,効用の総和を直接に取り扱うことはできないから,彼はそれに対応するものとして国民所得を考えた。そして,(1)国民所得が大きいほど,(2)貧者の受けとる国民所得の分が大きいほど,(3)国民所得の変動が少ないほど,経済厚生は大きいと結論する。…

【三面等価の原則】より

…経済活動の循環のなかでは,国民所得は生産,分配,支出という三つの形態をとる。それらは生産国民所得,分配国民所得,支出国民所得と呼ばれる。…

【所得】より

…そしてこの収入と〈その他の所得〉との和を,所得と呼んで区別する場合がある。
[所得の構成要素]
 何が所得を構成するかを考える場合,国民所得,すなわち社会会計上の所得概念を知ることによって,その他(たとえば税法上)の所得概念と区別することが重要である。ここでは主として国民所得の構成を基本として解説する。…

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