国際スズ協定(読み)こくさいスズきょうてい(英語表記)International Tin Agreement; ITA

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国際スズ協定」の意味・わかりやすい解説

国際スズ協定
こくさいスズきょうてい
International Tin Agreement; ITA

スズの輸出国と輸入国の需給を調整し,価格を安定させるための国際商品協定。 1956年に第1次協定が発効し,日本は輸入国として 61年に加盟。価格帯を設けてそれに見合った緩衝在庫操作を行なって,スズの市場価格の安定に努めている。 77年に発効した第5次協定からアメリカも参加し,またこの協定により緩衝在庫のための資金を消費国側が自発的に醵出することとなった。しかしスズ価格が継続的に下落し,85年 10月には資金的な行きづまりから緩衝在庫の運用は停止され,本協定の執行機関である国際スズ理事会は多額の負債をかかえることとなった。その後協定は結ばれず,国際スズ協定は解消した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android