国際レジーム(読み)こくさいれじーむ(英語表記)international regime

知恵蔵 「国際レジーム」の解説

国際レジーム

特定の問題領域に関し、各国政府(主要国政府)が目的、行動ルール、紛争処理方法などについて合意した上で、国際的な制度を創出・維持すること。相互依存の在り方を共同で管理する制度。国際金融、通貨管理、通商関税石油などの資源供給、海洋秩序などは、1960年代までは米国一国のヘゲモニーの下にあったが、70年代以降、領域別に多国間合意を前提とする国際レジームに、その決定の舞台が移った。国際レジームの組織目標は、通常、米国主導の理念基調とし、米国の発言権は依然として大きい。しかし米国は、その決定過程を思い通りにはコントロールしていない。

(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国際レジーム」の意味・わかりやすい解説

国際レジーム
こくさいレジーム
international regime

国際関係における政治的・経済的諸問題の管理とシステムの安定を目的とする原則規範規則,および政策決定の手続きの集合概念。相互依存の深化が顕著な現代世界において,国家国際組織,個人,国内集団,多国籍企業間の対立のコントロールと協調の保持のために必要不可欠な体制とされている。ガット (GATT) や海洋法秩序などがその事例とされる。

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