規則(読み)キソク

デジタル大辞泉 「規則」の意味・読み・例文・類語

き‐そく【規則】

行為や事務手続きなどが、それに基づいて行われるように定めた事柄。決まり。「規則を守る」「規則ずくめ」「就業規則
物事の秩序。「規則正しい」

最高裁判所国会両議院会計検査院人事院などが、憲法法律に基づき、内部規律・事務処理などに関して制定する法。
㋑都道府県知事市町村長が、その権限に属する事務に関して制定する細則。→条例
[類語](1)(2決まり定め規定規程条規定則規約約束規準規矩準縄きくじゅんじょう規律ルールコード本則総則通則細則付則概則おきて法則定律模範的象徴的代表的典型的標準的ティピカル模範手本規範モデル典型亀鑑規矩きく文範見本かがみ範例標本サンプル雛形ひながた書式好例適例スタンダードフォーマット王道師表基準り所類型定型様式化スタイルフォーマル公式正則正統正統派正調本式本格的正規正式まっと正道折り紙付き太鼓判をパーフェクト非の打ち所が無い完璧万全完全無欠傑出大出来紋切り型腐ってもたい

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精選版 日本国語大辞典 「規則」の意味・読み・例文・類語

き‐そく【規則】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物事のきまり。従うべきのり。秩序。順序。軌則。
    1. [初出の実例]「荼毘の規則(キソク)を調て、仏事の次第厳重也」(出典太平記(14C後)四〇)
    2. 「一切のことに無制度、〈略〉奢を押ゆる規則もなし」(出典:政談(1727頃)二)
    3. [その他の文献]〔和蘭字彙(1855‐58)〕
  3. 法律用語。
    1. (イ) 人がある行為をするにあたって守らなければならない定め。準則。
      1. [初出の実例]「文部省規則に随ひ学問普及致候様方法を設可施行事」(出典:太政官第二一四号‐明治五年(1872)八月二日(法令全書))
    2. (ロ) 法の一形式。国会の両議院、最高裁判所、会計検査院、人事院などがそれぞれ制定する議院規則、最高裁判所規則会計検査院規則人事院規則など。
      1. [初出の実例]「最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する」(出典:日本国憲法(1946)七七条)
  4. 宗教法人の定款。目的、名称、役員の任免、職務権限などを定める。

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改訂新版 世界大百科事典 「規則」の意味・わかりやすい解説

規則 (きそく)

最も広い意味では,人の行為準則一般をいうが,法律的な意味では,法律・命令とならぶ実定法上の法形式の名称である(憲法81条)。この意味での規則は,その制定主体によって種々のものがある。行政立法としての規則の効力は,一般には法律,政令の下位にあり,法律の細目的事項,手続的事項を内容とするが,国会の両議院が定める議院規則(憲法58条2項)は国会の議院自律権の一内容をなし,また最高裁判所規則(憲法77条1項)は,司法権の自律性を保障する側面を有しているので,内閣が定める政令の下位に位置づけることは妥当ではない。また,これらの規則の制定はそれぞれ憲法そのものによって授権されているので,当該事項に関する法律の存在を前提としないが,法律が制定されていればこれに反することはできない(法律の優位)。国の行政立法としての規則には次のものがある。(1)会計検査院規則 会計検査院法の定めのほかに,会計検査院が会計検査に関し必要な事項について定める法的規律である(会計検査院法38条)。同院は行政機関ではあるが,憲法上その設置が認められ(憲法90条),内閣に対し高度の独立性を有しており,上記の事項について排他的な規律権を有する。(2)人事院規則 人事院がその所掌事務につき,法律を実施するため,または法律の委任に基づいて制定する法的規律である(国家公務員法16条)。人事院は,内閣の所轄に属するが,独立した職権行使を保障され,上記の事項についても独立して規則を制定することができる。また国家公務員法の精神に反しない限りにおいて,その特例を規定することもできる(同法付則13条)。(3)外局の規則 内閣の統轄のもとにあり,府または省・庁の外局として置かれる委員会または庁の長が法律の定めるところにより,制定する法的規律である(国家行政組織法13条。公正取引委員会規則等)。このような規律は命令として制定される場合もある(海上保安庁令等)。(4)府・省の規則 府省令に規則という名称を付していることも少なくない(施行規則等)。

 なお,地方公共団体の長または長以外の執行機関が制定する規則もある(地方自治法15条,138条の4。自治立法)。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「規則」の意味・わかりやすい解説

規則
きそく

法律より下位にある制定法規の一つの形式。現行法上その数は多く、法的性格も多様である。最高裁判所規則は訴訟手続、弁護士、裁判所の内部規律および司法事務処理に関する事項を定め(憲法77条)、衆議院参議院はおのおのその会議その他の手続および内部の規律に関して衆議院規則参議院規則を定める(憲法58条)。会計検査院、人事院、国家公安委員会、公正取引委員会なども法律に基づいてそれぞれの名を冠する規則を制定することが認められている。地方公共団体では長(知事、市町村長)は規則を制定することができるが、それは国の機関委任事務を執行する場合または住民の権利・義務にかかわらない場合に限られている。自治事務で住民の権利・義務に関することについては、いわゆる行政事務条例を制定しなければならない。地方公共団体の行政委員会である人事委員会、教育委員会なども法律、条例に基づいて規則を制定できる。地方公共団体の機関の制定する規則は条例よりもその効力は劣る。

[阿部泰隆]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「規則」の意味・わかりやすい解説

規則
きそく
rule

一般には,行為の準則をいうが,法律用語としては,法律,政令と区別される制定法の一形式をいう。立法,行政,司法の各部について規則が制定されており,立法部に関するものとして,衆議院規則,参議院規則,また行政部に関するものとしては,会計検査院規則,人事院規則,司法部に関する規則として,最高裁判所規則がある。また地方公共団体においても長や委員会によって制定される規則がある。規則といってもその法的性質は一様ではないが,一般に規則は法律よりも下位におかれる。

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普及版 字通 「規則」の読み・字形・画数・意味

【規則】きそく

おきて。規範。唐・李群玉〔湘中、成威闍黎に別る〕詩 至れる哉(かな)、彼の上人 冰霜、規則凜たり 心杳(えう)として何(いづ)れの處ぞ 宴坐、冥默に入る

字通「規」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の規則の言及

【法則】より

…一般には,単なる統計上の規則性を超えて,より確固たる基盤の上に立てられたと考えられる秩序について用いられる語。ただし確固たる基盤を何に求めるかによって,法則についての解釈も異なることになる。…

【自治立法】より

…広義では,公共団体(地方公共団体,公共組合等)が,その自治権に基づいて制定する条例,規則,組合規約等をさし,狭義では,地方公共団体(都道府県,市町村等)の制定する条例,規則をさす。自主立法ともよばれ,公共団体にその遂行の義務と責任を課された公の行政を実施するため,自治権の範囲内において制定される。…

【命令】より


[行政法上の命令]
 (1)国の行政機関の制定する一般的な法的規律(行政立法)を命令という。現行憲法下における命令の形式としては,内閣の定める政令(憲法73条6号),内閣総理大臣または各省大臣の定める総理府令または省令,委員会または庁の長が定める規則(国家行政組織法12,13条),会計検査院の定める会計検査院規則(会計検査院法38条),人事院の定める人事院規則(国家公務員法16条)などがある。またそれは法律を執行するための執行命令(施行命令)又は法律の委任に基づく委任命令としてのみ制定することが許される。…

※「規則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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