改訂新版 世界大百科事典 「国際電信電話」の意味・わかりやすい解説
国際電信電話[株] (こくさいでんしんでんわ)
国際電信電話株式会社法(1952)に基づき1953年に創設された会社。略称KDD。新技術を積極的に導入し機動的経営を行うため,当初から民営会社として設立された。63年に衛星を利用した日米間テレビ中継に成功,64年には日米間で初の大容量同軸海底ケーブルを運用開始するなど,日本の通信技術の向上を図ってきた。また,日本を代表する電気通信事業者として,国際電気通信連合をはじめとする国際機関の活動に参画してきた。85年の電気通信事業法施行によって同社による日本の国際通信事業の独占は廃止され,87年には国際VAN開放によって国際データ通信(のちのファクシミリ通信)の分野で競争が本格化した。89年には日本国際通信と国際デジタル通信の2社が参入したことによって,国際電気通信のほぼ全分野で競争が実現された結果,96年までに同市場規模は事業法施行以前の4倍以上に拡大し,KDDの業容もそれにつれて約1.5倍に拡大した(売上高ベース)。97年には国際電気通信株式会社法改正を受けて国内電気通信市場にも参入し,同時にアメリカ,イギリスなどの外国でも事業免許を取得した。98年民営化され,日本高速通信(トヨタ自動車系の長距離電電)と合併,社名をKDDと変更。2000年10月,第二電電(DDI),日本移動通信と合併して社名をKDDIと改称した。資本金1419億円(2005年9月),売上高2兆9200億円(2005年3月期)。
→国際電話
執筆者:景山 正
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報