国際電話(読み)こくさいでんわ(英語表記)international telephone call

精選版 日本国語大辞典 「国際電話」の意味・読み・例文・類語

こくさい‐でんわ【国際電話】

〘名〙 国と国との間で、有線、または、無線によって連絡される電話。〔増補改訂新聞語辞典(1936)〕

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デジタル大辞泉 「国際電話」の意味・読み・例文・類語

こくさい‐でんわ【国際電話】

国と国との間に通じる有線または無線電話。1927年、ロンドン・ニューヨーク間に初めて通じた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「国際電話」の意味・わかりやすい解説

国際電話
こくさいでんわ
international telephone call
overseas call

外国と国際電話回線で結んで行う電話通話のこと。日本ではKDDIソフトバンクテレコム、NTTコミュニケーションズなどが取り扱っているほか、これら事業者のサービスの再販売などにより、多数の事業者が取り扱っている。一般の加入電話、携帯電話、PHS、公衆電話、インターネットプロトコル電話(IP電話)などから利用することができる。

 日本の国際電話は、1934年(昭和9)、フィリピンとの間に無線による直通回線が開設されたことにより開始された。その後、インドネシアアメリカをはじめ、世界各地に回線が設けられるにつれ利用回数は増加し、太平洋戦争が始まった1941年には年間約6000回に達した。第二次世界大戦中は回線が閉鎖され、スイスとの1回線を残すのみとなった。1946年(昭和21)にアメリカとの間で再開され、1990年代には大容量の光海底ケーブルの敷設、商業通信衛星の打上げにより飛躍的に通信回線が増大して、直通回線が拡充し、通話品質が一段と向上した。

 2009年度(平成21)時点の通信回数(日本発着)は12億7430万回。地域別通信時間(発信)は第1位中国、第2位フィリピン、以下、アメリカ(本土)、韓国香港(ホンコン)の順となっている。

 なお、世界的に国際電話の利用量は1980年代以降、年平均15%の成長を続けてきたが、2003年に登場したインターネット電話「スカイプ」により無料または格安の料金で国際電話ができるようになったことなどにより、従来型の電話回線による国際電話利用量の伸びは減速している。

[高橋陽一]

国際電話の種類

国際電話には次の種類がある。

国際ダイヤル通話

利用者が直接ダイヤルして先方を呼び出す通話。国際識別番号、国番号、エリアコード、加入電話番号をダイヤルすることにより接続され、相手が応答したらただちに通話を開始することができる。

[高橋陽一]

国際オペレーター通話

オペレーターに相手の電話番号や名前を伝えて申し込むことにより接続される通話。日本ではKDDIが取り扱っている。以前は相手の電話番号だけを指定する「番号通話」と、話したい人を指定する「指名通話」の区分があったが、2010年10月、KDDIは番号通話を廃止し、指名通話に一本化した。通話料金は最初の3分までが基本料金で、3分を過ぎると1分ごとに料金が加算される。

[高橋陽一]

その他の種類

外国から日本のオペレーターに申し込んで接続される「KDDIジャパンダイレクト」、料金着信払いの「コレクトコール」、外国から日本宛(あて)の通話が自動的に着信払いになる「ワールドフリーフォン」、衛星電話サービス(イリジウム、インマルサット)などがある。

[高橋陽一]

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改訂新版 世界大百科事典 「国際電話」の意味・わかりやすい解説

国際電話 (こくさいでんわ)

国際間で交換接続される電話サービス。国際間で標準化された技術基準,運用方式に基づく限り,世界中に約6億台あるどの電話とでも通話することができる。国際電話が初めて行われたのは1887年パリとブリュッセルの間においてである。日本では1934年にフィリピンとの間で行われた通話が最初であり,53年の国際電信電話(株)の設立以来同社が事業を独占してきたが,1985年の電気通信事業法施行により他社の参入が可能となった。現在,日本からは通信衛星や海底ケーブルを経由してほぼ全世界の加入電話との通話が可能であり,年間の発着総通話分数は26億分を超えてさらに増加しつつある。サービス種別としては,通話者が直接ダイヤルして相手を呼び出す国際ダイヤル通話,国際オペレータ通話等があり,通話量の大半を占める国際ダイヤル通話の半分以上がファクシミリ通信とされている。ダイヤルの仕方は,事業者識別番号(001等)のあと,相手国の国番号,地域番号,相手電話番号の順。
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百科事典マイペディア 「国際電話」の意味・わかりやすい解説

国際電話【こくさいでんわ】

国際間に通じる電話で一般加入電話から世界大多数の国と通話できる。短波無線および海底同軸ケーブルにより伝送され,日本ではKDD[株]のみが取り扱ってきたが,1985年の電気通信制度改革により,日本国際通信[株]と国際デジタル通信[株]などが郵政大臣の認可を受け,1989年10月から国際電話を取り扱っている。通信衛星や太平洋横断ケーブルの布設によって大量通話が可能となり,1997年度国際電話の利用時間は34億670万分であった。通話者指定通話,料金対話者払通話,会議通話などがあり,録音サービスも行う。また携帯電話からも通話可能のサービスが始まっている。

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