土佐十一烈士墓(読み)とさじゅういちれっしのはか

国指定史跡ガイド 「土佐十一烈士墓」の解説

とさじゅういちれっしのはか【土佐十一烈士墓】


大阪府堺市堺区宿屋町東にある墓地。堺旧市街地の中心、妙国寺の北隣、宝珠院境内にある。1868年(慶応4・明治1)に起きた堺事件(妙国寺事件)で切腹した土佐藩士11人が眠る。当時の対外関係を語り伝える重要な遺跡であることから、1938年(昭和13)に国の史跡に指定された。1868年2月、フランスの軍艦が堺港に来航して港内を測量したとき、乗員条約を無視して堺港に上陸したため、明治新政府から警備を命じられていた土佐藩隊長・箕浦猪之吉らが阻止しようとして発砲し、フランス水兵十数人を殺傷するにいたる。その結果、新政府は国際関係の悪化を恐れ、土佐藩主の謝罪、賠償金の支払い、箕浦ら20人の切腹という3ヵ条の要求を受け決着を図った。11人が妙国寺で切腹した後、残る9人の切腹は許されることとなったが、開国期の日本の状況を伝える凄惨な出来事だった。11人の遺骸は妙国寺北隣の宝珠院境内に葬られ、前土佐藩藩主・山内容堂はその忠烈を悼み石碑を建設した。南海電鉄南海本線堺駅から徒歩約15分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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