土沢城(読み)つちさわじょう

日本の城がわかる事典 「土沢城」の解説

つちさわじょう【土沢城】

岩手県花巻市(旧東和町)にあった江戸時代初めの盛岡藩城郭。当時の花巻は、盛岡城下から盛岡藩領南端の釜石までをつなぐ釜石街道宿場町として栄え、かつ仙台藩領と境を接する地だった。そのため盛岡藩は1612年(慶長17)に土沢城を築き、旧葛西氏家臣で、後に南部家に仕えた江刺隆直(えさしたかなお)を城主として南方の守りに当たらせた。当時は伊達政宗(だてまさむね)がしばしば南部領に攻撃を仕掛け、浮牛(ふぎゅう)城(北上市)を築いて圧力をかけたことから、両藩の間でたびたび国境紛争が起こっていた。土沢城の建設は、そうした中で行われたものである。この城は1670年(寛文10)に廃城となり、代わりに代官屋敷が設けられた。現在、本丸跡は館山公園になっている。JR釜石線土沢駅から約徒歩10分。

出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報

関連語 まさむね

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android