地仙(読み)ちせん

精選版 日本国語大辞典 「地仙」の意味・読み・例文・類語

ち‐せん【地仙】

  1. 〘 名詞 〙 地上にいる仙人。また、安逸に日を送る人をたとえていう語。
    1. [初出の実例]「妾在昔之世、結夫婦之儀、而我成天仙蓬莱之宮中、子作地仙澄江之波上」(出典:続浦島子伝(920))
    2. [その他の文献]〔白居易‐池上即事詩〕

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普及版 字通 「地仙」の読み・字形・画数・意味

【地仙】ちせん

地上の仙人。

字通「地」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の地仙の言及

【尸解】より

…中国,道教における仙人になる方法の一つ。晋の葛洪(かつこう)の《抱朴子》では,現世の肉体のまま虚空に昇るのを天仙,名山に遊ぶのを地仙,いったん死んだ後,蟬が殻から脱け出すようにして仙人になるのが尸解仙であるとし,尸解仙を下位に置く。だが梁の陶弘景が完成した茅山派道教では,この尸解を登仙の方法として重視し,剣を身体の代りに現世に残して仙人となる剣解法を重んじた。…

【仙人】より

…そして同じ仙人でも修練の方法によって等級のちがいが生ずると考えられた。 たとえば《抱朴子》は,天空に昇る天仙,名山に遊行する地仙,いったん死んだうえで仙人となる尸解仙(しかいせん)の3種の仙人が存在するという。また道教経典の古層に属すると思われる《太平経》は,天地間のあらゆる人間とそれらそれぞれの職能を9種に分かち,(1)無形委気の神人は気を,(2)大神人は天を,(3)真人は地を,(4)仙人は四時を,(5)大道人は五行を,(6)聖人は陰陽を,(7)賢人は文書を,(8)凡民は草木五穀を,(9)奴婢は財貨をそれぞれ治めるとしているが,5,6世紀のころには宇宙空間が天上の神仙世界,地上の人間世界,地下の死者の世界の仙・人・鬼の三部構造として整理されるにいたった。…

※「地仙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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