地図史(読み)ちずし(その他表記)history of maps; historical cartography

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「地図史」の意味・わかりやすい解説

地図史
ちずし
history of maps; historical cartography

地図の作成は文字に先行するといわれ,文字をもたない民族のなかには,土地の状況をなんらかの図の形に表わしたものを用いているものがある。大昔における地図の始りはおそらくそのような形態であったと考えられている。現存する世界最古の地図はバビロニアで発見された前 2500年の粘土板に描かれた地図断片である。また初めて経緯線網を地図投影法によって作図し,世界図をつくったのはプトレマイオス (トレミー) であるといわれる。中世には地理的事実より,宗教上の教義に基づく世界観を表わした TO地図や天竺図が登場した。地理上の大発見時代以降,再び真実を表現する目的のさまざまな地図が重要視されるようになり,印刷術の発明とその普及に伴い作図法,表現法も急速に進歩し現在にいたっている。 1818年に完成されたフランスのカッシーニ図 (182枚) はまず全国的規模の三角測量を行い,それに基づいて作成された最初の現代科学的な測量による実地測量に基づく基本図である。日本では伊能忠敬が,日本沿岸を測量してまとめた『大日本沿海輿地全図』が最初の現代科学的な実地測量による日本全図である。

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