山川 日本史小辞典 改訂新版 「地廻り」の解説
地廻り
じまわり
江戸時代の江戸周辺地域やその市場圏(江戸地廻り経済圏)の名称。本来は都市などの周辺を巡回する意味。上方から江戸に供給される下り物に対し,江戸周辺地域で産出されるものを地廻物といい,地廻酒・地廻米・地廻塩などとよばれた。地廻物を扱う問屋も成立し,地廻米穀問屋や地廻塩問屋などが有名。遠隔地間を交易する船に対し,近在の物資を輸送する船は地廻船とよんだ。また,地方に縄張りをもつやくざ・ならず者も地廻りとよばれた。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報