地方文化ホール(読み)ちほうぶんかホール

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「地方文化ホール」の意味・わかりやすい解説

地方文化ホール
ちほうぶんかホール

地方自治体が住民の文化への関心を高めるために建設する公共文化施設。各地で建設が相次いでいるが,建物のぜいたくさに比べて運営内容の貧弱さや建築家による独善的な設計が批判される例が多い。しかし建築家が初期段階から他ジャンルの専門家と運営内容を協議し計画を進める試みが起こりつつある。 1990年に開館した水戸芸術館では,演出家鈴木忠志をホール運営の委員として招き,ホール専属の劇団や運営のための財団をつくり,その理念に基づいた空間づくりを磯崎新が試み,ソフトとハード一体となった演劇専用ホールを実現させた。また湘南台文化センターのホールでも同様の試みが成されている。運営内容のレベルアップと市民の要望や理解との兼ね合い,財政面での運営方法の確立等,さまざまな問題はあるが,今後地域ごとの独自性を有したホールづくりが期待されている。

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