精選版 日本国語大辞典 「一体」の意味・読み・例文・類語
いっ‐たい【一体】
[1] 〘名〙
(イ) 一つの身体。同じからだ。同一体。
(ロ) 一つの関係。分離しがたい関係。同類。
※東寺百合文書‐へ・文保元年(1317)七月晦日・僧定縁起請文「彼母与件狼藉人一躰同心之間」 〔儀礼‐喪服子夏伝〕
※百座法談(1110)六月一九日「日ごとに阿彌陀仏一躰を供養せさせ給ふ」
※言塵集(1406)一「詞花集は〈略〉あまり一躰ばかりにをもむけられたる故にや」
※集義和書(1676頃)一「伊川の器量・朱子の志、みな聖人の一体あり」
※半残宛芭蕉書簡‐貞享二年(1685)正月二八日「夜話四睡、是又珍抄、一躰おとなしく候」
[2] 〘副〙 ((一)④の意から) ある事柄を全般的、概括的に考えていうときに用いる。そもそも。
(イ) ある結論づけをするような場合。だいたい。もともと。一般的にいって。
(ロ) 特に疑問の気持を強めていう場合。また、相手に詰問する場合。結論的になんだか全くわからないという気持が含まれる。ぜんたい。いったいぜんたい。
※雑俳・机の塵(1843)「鳥羽画の如し・いったい飯はどこへ喰ふ」
いっ‐てい【一体】
〘名〙
※風姿花伝(1400‐02頃)唐事「一体異様(いやう)したるやうに、風体を持つべし」
② 同類。同じ様式。
※仮名草子・都風俗鑑(1681)二「物を縫女奉公人を、おゐまといへり。さてはこしもとなどとわかれたれども風俗一躰(イッテイ)なり」
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