知恵蔵 「地球内部構造」の解説 地球内部構造 地震波の観測で、深さ方向に不連続な変化が認められることから、地球内部は、地殻、マントル、核の3層に区分される。大陸地殻は主に花崗(かこう)岩質の岩石からなり、厚さが30〜60km。海洋地殻は主に玄武岩質の火成岩からなり、厚さは約7kmと薄い。地殻とその下のマントルとの境界面をモホロビチッチ不連続面(モホ面)という。地震波のP波速度は、地殻では毎秒約6〜7kmで、マントルでは毎秒約8kmと速く、この面を境に上下の物質の密度が異なる。マントルは、深さ400〜700kmの遷移層をはさんで上部マントルと、670km以深の下部マントルに分けられ、最下部に100〜200kmのD″層などが確認されている。D″層の下約2900km以深の核は、軽元素を少量含む鉄からなり、融解している外核と固体の内核に分けられる。こうした物質あるいは化学的区分のほかに、地殻とマントル部分は、地震波で確認された深さ数十〜200kmの低速度層と深さ670km不連続面を境に、上から下へ、リソスフェア、アセノスフェア、メソスフェアの3つに力学的区分がなされている。 (斎藤靖二 神奈川県立生命の星・地球博物館館長 / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by