地球上の各地点での地磁気の方向や大きさを求める測量。真北方向に対する水平方向の偏角、垂直面内での伏角、地磁気の強さを示す全磁力の三成分を測量する。測量手法としては、小さい磁石を宙吊(づ)りにしてその向きを測る方法、コイルを回転軸の周りに回しながら向きを変え、磁力線が直交した場合に感応電流がゼロになるのでその向きを測る方法、水素の原子核すなわち陽子(プロトン)の地磁場内での自由歳差運動の周波数が磁場の強さに比例することを利用したプロトン地磁気計を使う方法などがある。また、地上での測量法のほか、飛行機に測定機を載せて測る空中磁気測量も行われ、これはエアーボーン磁気測量ともいう。地磁気は場所により、また同一地点でも時間の経過とともに変化するので、測量の場所と時刻とを明らかにしておかねばならない。
地磁気測量は、地下の地殻構造や鉱物資源を探知する手掛りとなるが、とくに空中磁気探査は、海洋底の鉱物資源や火山地帯での熱資源調査などに利用される。日本には、基準磁気点約10点、一等磁気点約100点が設置されている(2016年時点)。
[尾崎幸男・辻 宏道 2016年11月18日]