坂北庄(読み)さかきたのしよう

日本歴史地名大系 「坂北庄」の解説

坂北庄
さかきたのしよう

坂井平野東部に展開した長講ちようこう堂領荘園。建久二年(一一九一)一〇月付の長講堂所領注文(島田文書)

<資料は省略されています>

とあり、負担した課役の内容がわかる。長講堂領は、その後、後白河院皇女宣陽門院を経て文永四年(一二六七)後深草上皇に譲渡され、以後持明院統へ継承された。

応永一四年(一四〇七)三月付の長講堂領目録(八代恒治氏所蔵文書)に「同国坂北庄 入江殿 年貢綿万両」とみえ、坂北庄は室町期にもなお長講堂領を構成している。ただこれに先立つ寛元四年(一二四六)一一月付仁和寺用途支配状(仁和寺文書)に「於仁和寺菩提院毎年可被行結(縁)灌頂(事カ)」として「坂北庄御年貢綿内肆佰参拾両自御倉沙汰」とみえるが、これが長講堂領坂北庄と同一とすれば(年貢綿は応永の長講堂領目録と共通する)、坂北庄の上分取得権の一部を仁和にんな(現京都市右京区)が保持していたことになる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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