称念(読み)ショウネン

デジタル大辞泉 「称念」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ねん【称念】

仏語
称名念仏。口に仏の名を唱え、心に仏を念ずること。
南無阿弥陀仏と唱えること。

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精選版 日本国語大辞典 「称念」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ねん【称念】

  1. [ 1 ] 仏語。
    1. 称名と念仏。口に仏の名を称(とな)え、心に仏を念じること。唱念。
      1. [初出の実例]「先於此仏。専心称念。三昧易成」(出典:往生要集(984‐985)大文三)
    2. 南無阿彌陀仏(なむあみだぶつ)を唱えること。唱念。
      1. [初出の実例]「そらに声ありて、彌陀仏を称念せむ」(出典:浄業和讚(995‐1335)上)
  2. [ 2 ] 室町末期の浄土宗の僧。三蓮社、縁誉と号する。武蔵国の人。一心院流(捨世派)の祖。増上寺で宗学を学び、のち知恩院境内に一心院を創建して住み、修行者の生活規則を定めた。著書に「安心鈔」「要議鈔」など。永正一〇~天文二三年(一五一三‐五四

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朝日日本歴史人物事典 「称念」の解説

称念

没年:天文23.7.19(1554.8.17)
生年:永正10(1513)
室町後期の浄土宗の僧。捨世派の祖とされる。8歳のときに増上寺で親誉について宗戒両脈を受け,関東の寺院をめぐり研鑽する。江戸に天智庵を創建し,持戒堅固で念仏行に励んだ。天文17(1548)年に知恩院祖廟の南隣に草庵を結び六時念仏を行ううちに,信徒が堂舎を建立する。これが念仏三昧道場,一心院で捨世派の本寺となる。「念仏道場七箇条」「別時念仏十一箇条」などの掟を定めた。47ほどの寺院を創立。のちに江戸時代中後期には捨世派から庶民教化に努めた僧侶が多く輩出した。<著作>『安心鈔』『要義鈔』<参考文献>『称念上人行状記』

(林淳)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「称念」の解説

称念 しょうねん

1513-1554 戦国時代の僧。
永正(えいしょう)10年3月生まれ。浄土宗。江戸増上寺の周仰,下総(しもうさ)飯沼弘経寺(茨城県)の祖洞に師事し,江戸に天智庵をひらく。のち京都の一心院で専修念仏につとめ,捨世派の祖となった。天文(てんぶん)23年7月19日死去。42歳。江戸出身。俗姓藤田。字(あざな)は吟応(翁)。号は三蓮社縁誉。著作に「安心鈔」「要義鈔」など。

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