埋れ木を材料とした細工。埋れ木は採掘する場所により黒色と赤褐色のものがある。いずれも浮き出るように表れた、緻密(ちみつ)で光沢のある木目が美しいため、細工した器具や装飾品がつくられるようになった。1822年(文政5)、伊達(だて)藩の下級武士、山下周吉が城の警備中に青葉埋木を発見して持ち帰り、くふうをした結果「掻敷(かいしき)」(食物を盛る器)をつくったのが埋れ木細工の創始であるとされている。青葉埋木には、代赭(たいしゃ)色で柔らかい「赤埋木」と漆黒色で堅い「黒埋木」の2種がある。盆、銘々皿、硯箱(すずりばこ)、鷹(たか)置物、アクセサリーなどがつくられ、仙台地方の名産品となっている。ほかに、伊豆天城山(あまぎさん)の細工も有名である。
[秋山光男]
…年中行事としては8月上旬の七夕祭,正月14日の大崎八幡神社の松焚(どんと)祭が名高い。伝統工芸品としては仙台平(ひら),仙台たんす,埋れ木細工などがあげられる。【長谷川 典夫】
[仙台城下]
陸奥国伊達氏62万石の城下町。…
※「埋れ木細工」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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