埴壌土(読み)しょくじょうど

日本大百科全書(ニッポニカ) 「埴壌土」の意味・わかりやすい解説

埴壌土
しょくじょうど

土性区分の一つで、かつての日本農学会法では粘土分の組成全量の37.5~50%に入るもの。野外の指先による感触では、かなり粘土分に富むが若干砂のざらつきも感ずるという程度の土壌である。国際土壌学会法によれば、ほぼこの埴壌土に相当するクレイローム(略記CL)がある。国際法では土粒の3区分に基づく三角座標上の土性区分として、クレイロームに近いものにシルトロームsilt loam(SiL)、シルティクレイロームsilty clay loam(SiCL)、ローム(L)があり、これらの違いは分析操作を経て決定される。多くの耕地土壌、とくに大河川の下流平野の水田土壌や、火山灰土壌に埴壌土の例が多く、壌土とともに好適な土地条件とされることが多い。

[浅海重夫・渡邊眞紀子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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