埴生の小屋(読み)はにゅうのこや

精選版 日本国語大辞典 「埴生の小屋」の意味・読み・例文・類語

はにゅう【埴生】 の 小屋(こや・おや)

土間の土の上に筵(むしろ)などを敷いただけの小さい家。また、土で塗っただけの小さい家。転じて、みすぼらしい粗末な家。また、自分の家をへりくだっていうのにも用いる。埴生の宿。埴生。
万葉(8C後)一一・二六八三「彼方(をちかた)赤土少屋(はにふのをや)(こさめ)降り床さへ濡れぬ身に副へ我妹」

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デジタル大辞泉 「埴生の小屋」の意味・読み・例文・類語

はにゅう‐の‐こや〔はにふ‐〕【×生の小屋】

土の上にむしろを敷いて寝るような粗末な小屋。また、赤土を塗ってつくった小屋ともいう。みすぼらしい家。しず伏屋ふせや。はにゅうのやど。はにゅうのおや。
「旅の空―のいぶせさに故郷ふるさといかに恋しかるらん」〈平家・一〇〉

はにゅう‐の‐おや〔はにふ‐をや〕【×生の小屋】

はにゅうのこや」に同じ。
彼方をちかたの―に小雨降り床さへ濡れぬ身に添へ我妹わぎも」〈・二六八三〉

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