堪ない(読み)たまらない

精選版 日本国語大辞典 「堪ない」の意味・読み・例文・類語

たまら【堪】=ない[=ぬ]

  1. 我慢できない。こらえられない。やりきれない。たえがたい。
    1. [初出の実例]「滝口、たまらぬ男にて、首を取るか取らるるか」(出典:曾我物語(南北朝頃)一)
    2. 「お負に三宝に帰依してゐると来るから、溜まらない」(出典:独身(1910)〈森鴎外〉四)
  2. こらえられないほど程度がはなはだしい。好・悪、善・悪などともにいう。形容詞などの連用形に「て」の付いた形に添えて用いる場合には、「ひどく…である」という感情をあらわす。じっとしていられない。
    1. [初出の実例]「Tamaranu(タマラヌ) ヨイ、または、ワルイ ヒトデ ゴザル」(出典日葡辞書(1603‐04))
    2. 「已に其以前に知られて居たさうだからたまらない。忽地ジイラシイを興し来って」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一〇)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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