精選版 日本国語大辞典 「堰き板」の意味・読み・例文・類語
せき‐いた【関板・堰板】
- 〘 名詞 〙
- ① 垣や屋根、土留めなどに幅広の板を並べたもの。
- [初出の実例]「人しれぬ胸の思ひのせき板に軒のしのぶはさぞしげるらん〈藤原信実〉」(出典:新撰六帖題和歌(1244頃)六)
- 「四品以下の平侍武士なんどは、関板(セキイタ)打たぬ舒葺(のしぶき)の家にだに居ぬ事にてこそあるに」(出典:太平記(14C後)二六)
- ② 「せきいたさく(堰板柵)」の略。
- [初出の実例]「とにも角にも関板(セキイタ)のせき来る者はなみだにて」(出典:露団々(1889)〈幸田露伴〉一八)
- ③ 矢を入れる逆頬箙(さかつらえびら)の中の仕切り(矢配)の筬(おさ)の外側の縁につける板。
- ④ 伏竹(ふせだけ)の弓の上下の弓弭(ゆはず)の部分で、竹を押えるために設けた当て木。〔武用弁略(安政再板)(1856)〕
- ⑤ 船体の内部に設ける隔壁。和船一般には設けないが、近世の軍船や一部の荷船では水密用として入れることがある。
- ⑥ ( 堰板 ) コンクリートを流し込んで、所要の形に固まるまで流れ出ないようにする板。