最新 地学事典 「塩化物錯体」の解説
えんかぶつさくたい
塩化物錯体
chloride(chloro)complex
Cl-が配位子となってつくられる錯体。熱水鉱床をもたらした熱水溶液(鉱液)中の陰イオンとして一般的にはCl-が最も卓越をする。このCl-は重金属元素と錯体をつくる傾向が強い。例えば,銅・鉛・亜鉛・鉄・マンガン等は塩化物錯体をつくる場合が多い。熱水溶液中の他の錯体としては,硫化物錯体・チオ錯体・炭酸塩錯体などが挙げられる。どの錯体が卓越をするかは配位子濃度・pH・酸素分圧・温度や元素の種類などによる。一般的に温度が高く,Cl-の濃度が高ければ塩化物錯体をつくる。火山性塊状硫化物鉱床(黒鉱鉱床など)・斑岩銅鉱床中に濃集した主要な金属元素は,熱水中で塩化物錯体をつくっていたと考えられている。
執筆者:鹿園 直建
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

