熱水鉱床(読み)ねっすいこうしょう(英語表記)hydrothermal deposit

  • ねっすいこうしょう ‥クヮウシャウ
  • ねっすいこうしょう〔クワウシヤウ〕
  • 熱水鉱床 hydrothermal ore deposit

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

地下の火成活動がもたらす揮発性成分に富む高温熱水溶液が,岩石の空隙内に沈殿した鉱床,あるいは母岩の一部を交代して生成した鉱床。金,亜鉛水銀,その他重要金属鉱石がこの熱水鉱床より産出する例が多い。地質構造,母岩の性質,熱水溶液の温度などにより鉱床の形態規模は一様でない。

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百科事典マイペディアの解説

熱水作用で形成された鉱床。もとになった熱水溶液の温度,生成の位置などによって深熱水性(400〜300℃),中熱水性(300〜200℃),浅熱水性(200〜100℃),遠熱水性(100℃以下)などに区分された。鉱脈,交代鉱床,鉱染鉱床,網状鉱床,洞穴充填(じゅうてん)鉱床などの形をとり,金,銀,銅,鉛,亜鉛,水銀など多種類の金属鉱床およびある種の粘土鉱床などがこれに属する。
→関連項目火成鉱床交代作用

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世界大百科事典 第2版の解説

熱水と総称される地殻内の高温水溶液により形成される鉱床。地殻内にはさまざまな起源をもつ高温水溶液が存在し(鉱化流体),熱水作用とよばれるさまざまな地質現象を起こす。既存の岩石と反応し,これに変質作用を与えたり(熱水変質作用),岩石を溶解して交代作用を起こしたり,溶解している金属種を沈殿して熱水鉱床をつくるなどがそれである。熱水はマグマ活動により発生すると考えられており,熱水鉱床は正マグマ鉱床とともに火成鉱床の代表といえる。

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大辞林 第三版の解説

熱水から鉱物が晶出沈殿したり、熱水とまわりの岩石との化学反応により新しい鉱物が生成したりしてできた鉱床。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

火成鉱床の一種で、熱水とよばれる地下の高温の水溶液により形成される鉱床。熱水性鉱床ともいう。通常のマグマは、多い場合には数(重量)%程度の揮発性成分(水や炭酸ガス、ハロゲンガスなど)を溶解しているが、マグマが冷却し固結してできる火成岩は、あまり揮発性成分を含むことができない。このためマグマの冷却・固結に伴って大量の揮発性物質が熱とともに放出される。それらは水を主とする流体(熱水)となり、種々の金属、非金属元素を溶解し、地表に向かって移動、冷却するにしたがって有用鉱物を沈殿させて熱水鉱床を形成する。熱水を構成している水素と酸素の同位体についての研究が進み、熱水はかならずしもマグマから放出されたものばかりではなく、地下深く入り込んだ地表水や、堆積(たいせき)物から絞り出された水などが、マグマ活動により暖められたものもあることがわかってきた。このような熱水も、マグマから放出される熱水とともに、熱水鉱床の形成に重要な役割を果たしていると考えられる。
 熱水鉱床には、錫(すず)、タングステン、モリブデン、銅、亜鉛、鉛、金、銀、マンガン、アンチモン、ビスマス、水銀、ウラン、蛍石(ほたるいし)(主成分はフッ化カルシウム、用途は製鉄が主で、ほかにガラス工業用の精錬原料)など多様な金属や非金属を含む鉱物が沈殿する。地下では鉱脈鉱床、鉱染鉱床、交代鉱床などになるが、熱水が海底面上にあふれ出ると黒鉱鉱床のような塊状鉱床となるなど形態もさまざまで、規模も大小の変化に富む。金属資源としてもっとも重要なタイプの一つ。[島崎英彦]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 熱水の沈殿、交代作用によって生じた鉱床。金・銀・銅の鉱床の類。

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