日本歴史地名大系 「塩飽島諸事覚」の解説
塩飽島諸事覚
しわくじましよじおぼえ
一冊
成立 文化年間後期
原本 丸亀市長徳院
解説 塩飽島は備讃瀬戸にある本島・広島・与島・櫃石島など大小二〇余の島の総称である。中世は海賊(水軍)として活躍したが、豊臣秀吉によって水主として重視され、天正一八年に塩飽島一千二五〇石が島中船方に与えられた。徳川幕府もこれを踏襲し幕府領として大坂船手奉行らの監督を受けたが、船方(人名)による統治が近世を通して行われた。本書はこの塩飽島に関する御朱印之覚・御代々御朱印頂戴之次第・御軍用御用相勤候事以下、漁場争論・旧跡・寺院・神社・島中人名など四九項目にわたって詳述している。近世塩飽研究の重要な史料である。編者不明。なお本書は無題であるが、活字化にあたって名付けられた。
活字本 香川叢書二
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報