変形性足関節症(読み)へんけいせいそくかんせつしょう(英語表記)Osteoarthritis of the foot

六訂版 家庭医学大全科 「変形性足関節症」の解説

変形性足関節症
へんけいせいそくかんせつしょう
Osteoarthritis of the foot
(運動器系の病気(外傷を含む))

どんな病気か

 長年の使用や繰り返される負担、けがなどによって、関節軟骨がすり減ったり、骨の変形が生じたりする病気です。

原因は何か

 原因がはっきりしない加齢に伴う一次性の変形性足関節症と、何らかの原因で生じる二次性の変形性足関節症があります。

 多くは二次性で、骨折捻挫(ねんざ)に伴う靱帯損傷などの外傷化膿性関節炎、骨壊死(えし)などが原因で、徐々に足関節(足首の関節)の変形を生じます。

症状の現れ方

 歩き始め、階段の昇降、長時間の歩行や立ち仕事のあとに痛みが起こります。徐々に足首のはれや変形が起こり、動きが制限され正座坂道での歩行が不自由になります。

検査と診断

 診断は歩行状態、変形、はれや痛みの部位、動きなどの診察とX線検査で行います。X線検査では関節軟骨のすり減りや骨の増殖骨棘(こっきょく))の程度などを検査します。

治療の方法

 まずは痛みに対して安静、足底装具、足関節サポーター湿布、塗り薬、痛み止め内服薬などを用いた保存的治療を行います。炎症と痛みを和らげるため局所麻酔薬とステロイド薬の注射を行う場合もありますが、効果は一時的です。

 重度の変形があり日常生活に支障がある場合には、関節固定術人工関節手術などの手術が行われます。

病気に気づいたらどうする

 長引く足首の関節の痛みやはれ、正座ができないなどの症状があれば変形性足関節症の可能性もありますので、整形外科受診をすすめます。

尾崎 誠

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

家庭医学館 「変形性足関節症」の解説

へんけいせいそくかんせつしょう【変形性足関節症 Osteoarthritis of the Ankle Joint】

[どんな病気か]
 変形性関節症が、足関節(そくかんせつ)におこったものをいいますが、股関節(こかんせつ)や膝関節(しつかんせつ)に比べるとまれな病気です。
 明らかな原因がわからずにおこることもありますが、靱帯損傷(じんたいそんしょう)や足関節の骨折後の関節の不安定、関節面の不整、関節の中の骨片(こっぺん)などが原因となっておこることもあります。
[症状]
 足関節の運動時の痛みや動きの制限がおこります。X線写真では、関節の間が狭くなったり、骨棘(こっきょく)(トゲのような骨)ができているのがみられます。
 ひどくなると、関節の軟骨は完全になくなってしまいます。
[治療]
 初期では、サポーターを使用したり、関節を温めることが有効です。
 靱帯損傷によって関節がひどく不安定な場合は、靱帯をつくりなおす手術を行ないます。
 関節の中に骨片がある場合は、関節鏡という内視鏡を使って摘出することもできます。
 完全に軟骨が失われている場合は、関節を固定してしまう手術をして、確実に痛みをとります。また、関節を人工関節に置き換える手術もあります。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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