股関節(読み)コカンセツ

デジタル大辞泉 「股関節」の意味・読み・例文・類語

こ‐かんせつ〔‐クワンセツ〕【股関節】

大腿骨だいたいこつ骨盤とを連結する関節髀臼ひきゅう関節。

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精選版 日本国語大辞典 「股関節」の意味・読み・例文・類語

こ‐かんせつ‥クヮンセツ【股関節】

  1. 〘 名詞 〙 骨盤と大腿(だいたい)骨とを連結する関節。臼(うす)形の骨盤の寛骨臼(かんこつきゅう)大腿骨頭部がはまりこんでいる。可動性は肩関節にくらべてはるかに小さい。髀臼(ひきゅう)関節。〔医語類聚(1872)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「股関節」の意味・わかりやすい解説

股関節
こかんせつ

体幹と下肢とを連絡する関節で、骨盤の臼(うす)のような寛骨臼(かんこつきゅう)と大腿骨(だいたいこつ)の球形の大腿骨頭とのなす球関節である。強力な腸骨大腿靭帯(じんたい)、坐骨(ざこつ)大腿靭帯、恥骨大腿靭帯および関節内の円靭帯によって強固に補強されている。球関節のため運動の種類が多く、屈伸、内外転、内外旋およびぶん回し運動があり、あらゆる方向に動く。肢位、運動範囲を角度で表す場合の基本肢位を0度(0゜)とする。基本肢位は、つまさきをつけて直立したときの肢位である。股関節の疾患は歩行障害に直結する。先天性脱臼は股関節にもっとも多く発生する(先天性股関節脱臼)。股関節部の外傷としては、外傷性脱臼、大腿骨頸部(けいぶ)骨折、大腿骨近位骨端線離開などがある。大腿骨頸部骨折は、老人にしばしばみられる骨折である。また疾患としては、股関節炎、小児のペルテス病、高年者に多い変形性股関節症などが、日常遭遇するものである。

[永井 隆]

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百科事典マイペディア 「股関節」の意味・わかりやすい解説

股関節【こかんせつ】

骨盤大腿(だいたい)骨を結ぶ関節で,上肢の肩関節に相当する。寛骨外面にある寛骨臼(きゅう)という深いくぼみに,大腿骨頭がはまりこんでつくる。直立体位をとるヒトでは,左右の下肢が身体をささえる部位で,この関節が直立,歩行等に重要な関節である。大腿骨頭が寛骨臼からはずれたものを股関節脱臼といい,女児に多い先天性股関節脱臼炎症により骨が破壊されて起こる破壊性脱臼,その他外傷性脱臼などがある。
→関連項目温熱療法寛骨

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改訂新版 世界大百科事典 「股関節」の意味・わかりやすい解説

股関節 (こかんせつ)
hip joint
articulatio coxae[ラテン]

骨盤大腿骨とを結ぶ関節で,上肢の肩関節に相当する。丸い大腿骨頭が臼のような寛骨臼の中にはまりこんでいるから,球関節の典型をなしている。したがって運動は多軸性で,あらゆる方向へ動くが,その可動性は肩関節に比べるとずっと小さい。関節頭の頂点からは大腿骨頭靱帯,関節窩の周辺からは腸骨大腿靱帯が起こっていて,いずれも関節運動を制御し,輪帯,恥骨囊靱帯および坐骨囊靱帯などは,主として関節囊を補強している。
先天性股関節脱臼
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「股関節」の意味・わかりやすい解説

股関節
こかんせつ
hip joint

両脚のつけ根にあり,歩行上きわめて重要な関節である。球形の大腿骨頭とおわん形の臼蓋から成る球関節で,骨頭と臼蓋の間は靭帯で連絡され,臼蓋縁全周には軟骨性の関節唇があって,骨頭と臼蓋の適合性を深めている。これらの外側を厚い線維性の関節包が取巻いている。 (→関節 )

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栄養・生化学辞典 「股関節」の解説

股関節

 骨盤と脚をつなぐ関節.

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世界大百科事典(旧版)内の股関節の言及

【関節】より

…人間でも,赤ん坊のときには,まだこの運動がじょうずにできない。
[股関節hip joint]
 寛骨の寛骨臼と大腿骨頭との間の関節で,関節面はほぼ完全な球面をなす。したがって肩関節と同じ多軸性の球関節に属するが,肩関節と違う点は,関節窩としての寛骨臼が深くて,関節頭(大腿骨頭)の約2/3を覆っている。…

【関節】より

…(1)球関節は,関節頭も関節窩も球状の丸い形をしているもので,運動面からは多軸性関節に相当する。肩関節や股関節がこれにあたる。(2)楕円関節は,関節面が楕円体に近く,楕円の長軸と短軸を軸とした2軸性の運動を行う。…

【機能肢位】より

…しかし,もしも両方の肘関節を固定せざるをえない場合には,利き腕のほうは90度以上の鋭角屈曲位に,もう片側は20~30度の軽度屈曲位に固定するほうが,日常生活を送っていくうえで両肘関節ともいわゆる機能肢位での固定よりもまさっている。また股関節の機能肢位は通常の場合軽度屈曲位で,内・外転および回旋中間位が機能肢位とされている。屈曲が少なめであれば立位が楽であり,反対に屈曲が大きければ座位が楽となり,脊柱の代償により日本式正座も可能である。…

【骨盤】より

…子どもでは腸骨,恥骨,坐骨の3骨が区別され,互いに軟骨によって結合されているが,体の発育が止まると,この軟骨の部分が骨化して,3骨は合着してしまう。3骨の会合部は寛骨の外側面に寛骨臼という丸い凹所をつくり,股関節の関節窩をなす。腸骨os ilium(ilium)は上部の大きな部分で,盆のように腸を入れている骨という意味でこの名がある。…

※「股関節」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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