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夏緑林 かりょくりん

大辞林 第三版の解説

かりょくりん【夏緑林】

冬の低温によって落葉する広葉樹を主体とする樹林。温帯北部で、夏期に十分な降水のある地帯に発達する。日本では本州中部の山地帯から北海道の低地にかけて分布し、低地ではクリ・ケヤキ・コナラなど、山地ではブナ・ミズナラ・カンバなどが多い。落葉広葉樹林。夏緑樹林。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

夏緑林
かりょくりん

冬期に寒冷(最寒月の平均気温が2℃以下)で落葉する林。乾期に落葉する雨緑林と区別するときに使う。夏緑林は北半球の冷温帯域に分布し、日本を含む東アジア、北アメリカ、ヨーロッパの3部分に分けられる。いずれもナラ類、ブナ類、カエデ類が主要優占種である。氷期の氷河の影響の大きさによって、種類的な多様性は大きく異なる。ヨーロッパ、北アメリカ、東アジアの順に種の多様性は高くなり、遺存固有種も多い。日本から中国、ヒマラヤにかけた地域や北アメリカには、ツガ、ヒノキなどの古~新第三紀の遺存型針葉樹林も分布する。南半球では、南アメリカの南端にナンキョクブナ落葉樹林が分布するが局在し、北半球のように植生帯をつくることはない。
 林の構造は樹高30メートルに達し、高木層、低木層、草本層が明瞭(めいりょう)に分けられる。ここでは、半地中植物(生活に不適な時期を越す休眠芽が地表面に接している植物)が種数の50%を占める。[大澤雅彦]

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世界大百科事典内の夏緑林の言及

【落葉樹】より

…年間を通じて高温・多湿で,寒さや乾燥という季節の明らかでない熱帯多雨林においても落葉樹は存在し,いつでも一部の種や個体が落葉して裸になっているが,1本の木で落葉した枝と葉のついた枝をもっていたり,裸になっても半月ほどで新しく葉を展開してしまうなど,常緑樹との区別ははっきりしない。雨緑林・夏緑林のように,乾燥・低温という生育に不適な季節がはっきりと出現してはじめて落葉樹の存在が明りょうとなる。生育不適期には,葉から養分を回収しておいて落葉し休眠する方が,葉を展開したまま被害を受けたり,光合成ができずに呼吸が上回ってマイナスの物質生産になるよりも植物にとって有利なためであると考えられている。…

※「夏緑林」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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