日本大百科全書(ニッポニカ) 「乾期」の意味・わかりやすい解説
乾期
かんき
気候の型の一つで、年ごとに繰り返される雨量の極小月を含む期間をいう。雨期の反対。熱帯地方において乾期は、その半球側の冬に現れる。亜熱帯地方においては、乾期は地中海性気候のように夏に現れる場合と、季節風気候のように冬に現れる場合がある。赤道地帯では1年間に2回乾期が現れる。メキシコや中米諸国では11月から4月にかけて現れる主要な乾期をベラノveranoとよび、暑い乾燥した数週間だけの乾期をベラニロveranilloと命名して区別している所もある。乾期は干魃(かんばつ)ではない。通常気候では、雨期のときに雨が降らない場合に干魃となるのである。
日本は季節風気候であるから、乾期は冬に現れるが、日本海側のように多量の降雪のために乾期にはならない所も少なくない。
ギリシアのアテネ(地中海性気候)とインドのニュー・デリー(季節風気候)における1年間の降水量の変化から、それぞれの乾期の時期を示したものである。アテネの年降水量が384ミリメートルであるのに対し、ニュー・デリーでは779ミリメートルであるが、両者を比較すると乾期がまったく異なっているのがはっきりとわかる。
は、