夏花(読み)ゲバナ

デジタル大辞泉 「夏花」の意味・読み・例文・類語

げ‐ばな【夏花】

夏安居げあんごの間、仏前に供える花。 夏》「病ある身のひそかにも―かな/蝶衣」

なつはな【夏花】

伊東静雄詩集。昭和15年(1940)刊行翌年、北村透谷賞受賞。

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精選版 日本国語大辞典 「夏花」の意味・読み・例文・類語

げ‐ばな【夏花】

  1. 〘 名詞 〙 夏安居(げあんご)の時、仏にそなえる花。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「けふよりけはな御さたあり」(出典:御湯殿上日記‐明応六年(1497)四月一六日)

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世界大百科事典(旧版)内の夏花の言及

【卯月八日】より

…近畿以東の霊山にある神社では,この日を祭日とする所がかなりある。西日本では〈高花〉〈天道花(てんとうばな)〉〈夏花(げばな)〉などと称して,竹ざおの先にシャクナゲ,ツツジ,シキミ,ウノハナなどを束ね,庭先や木の枝に高く掲げる習俗が卓越している。兵庫県氷上郡では〈花折り始め〉といって,死者があった家では他家に嫁いだ子女が墓参りをする日となっている。…

【伊東静雄】より

…保田,萩原朔太郎らの激賞を受け,文芸汎論賞を受賞した。北村透谷賞受賞の第2詩集《夏花》(1940)で,一転して観照的詩風を確立,第3詩集《春のいそぎ》(1943)では戦時下の庶民の心情をこまやかに歌い,第4詩集《反響》(1947)では敬虔(けいけん)に人生に対する姿勢を平明に表現した。49年肺結核を発病,闘病も及ばず53年没した。…

※「夏花」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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