多冊物(読み)たさつもの(その他表記)multivolume item:multipart item

図書館情報学用語辞典 第5版 「多冊物」の解説

多冊物

『英米目録規則第2版日本語版』用語解説では,「Multipart item(複数の部分からなる資料)」「Multivolume monograph(多巻モノグラフ)」について,“一定数の独立した部分で完結しているか,または完結することが意図されているモノグラフ”としている.『日本目録規則新版予備版』では,かつて,「多巻もの」として“1部2冊以上からなる図書.上下2冊で完結している図書,全30巻の全集といったようなもの”と説明していた.元来,この用語は,1著作が複数冊に分割して収容された場合に,その資料全体を指すものであったが,各分割部分がタイトルを有するときの扱いが曖昧となり,あるいはそれぞれ独立した著作を含む図書の集合体であるモノグラフシリーズとの区別が曖昧となり,作成される書誌的記録に揺れを生じさせていた.書誌単位を新たに導入した『同1987年版』の出現とともに日本目録規則からは姿を消した用語である.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

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