多治部郷(読み)たじべごう

日本歴史地名大系 「多治部郷」の解説

多治部郷
たじべごう

古代英賀あが丹部たじべ(和名抄)系譜を引く中世の郷。現在の田治部たじべのほか東隣の布瀬ふせ、西隣の新見市上熊谷かみぐまたにを含んでいたとみられる。室町時代には国衙政所が置かれるなど備中北部の政治上・経済上の要衝で、国人多治部氏が上熊谷塩城山しおきやま城を拠点に活躍した。

永享元年(一四二九)一二月二日の惣社宮造営帳写(池上文書)によると、「国衙御領」多治部郷は棟別一間につき二〇文を課せられ、また吉備津神社の流鏑馬料足納帳によると、康正二年(一四五六)には三貫五〇〇文を納めた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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