多目的システム(読み)たもくてきシステム(その他表記)multiobjective system

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「多目的システム」の意味・わかりやすい解説

多目的システム
たもくてきシステム
multiobjective system

たとえば大型ダムを計画する場合,利水,電力発生などによる経済効果のほか,必要資金量,砂防能力,洪水調節能力,万一の決壊時の災害程度景観生態系に及ぼす影響など,多くの目的を考慮し,異なる観点から評価しなければならない。同様のことは,土地利用,資源利用,運輸・交通,産業配置など,複雑な技術・経済・社会的効果を伴った多くのシステムでみられる。このようなシステムを多目的システムという。システムの能力と必要資金量,経済効果と環境影響といったように,各目的の実現に矛盾した関係が生じる場合,トレードオフ関係があるといい,目的間の調整・調和をはかることが重要になる。数理的方法として,多目的数理計画法,選好関数あるいは効用関数を用いる意思決定法などがある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android