化学辞典 第2版 「多重度」の解説
多重度
タジュウド
multiplicity
原子や分子の電子状態の電子スピンによって生じる状態数をいう.電子スピン量子数がSのとき,多重度は2S + 1であり,ラッセル-ソーンダーズ結合による記号のときには,軌道運動を表す文字の左肩に多重度を書く習慣になっている.たとえば,水素原子の基底状態はS = 1/2なので 2S1/2 と表す.右下の添え字の1/2は全角運動量量子数である.また,NO分子の基底状態は 2Π1/2,ベンゼン分子の基底状態は 1A1g である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報