大学事典 「夜間大学院」の解説
夜間大学院
やかんだいがくいん
nighttime graduate school
社会人が働きながら大学院教育を受けられるように,もっぱら夜間に教育・研究を行う大学院。1987年(昭和62)に文部省に設置された大学審議会が88年に取りまとめた答申「大学院制度の弾力化について」において夜間大学院の設置基準が明らかになり,89年(平成1)に改定された大学院設置基準に基づき設置されるようになった。1993年の大学審議会答申「夜間に教育を行う博士課程等について」以降,大学院制度の一層の弾力化が図られ,昼夜開講制の博士課程や,もっぱら夜間に教育を行う博士課程が開設されるようになった。知識基盤社会といわれる今日,社会人の学習需要は高まっているが,社会人の就業経験を生かした教育・研究を大学院で展開するためには,通学上の利便性や社会人入試のあり方のみならず,成人が自らの経験を生かして実践的に学べるように,成人の学習論(アンドラゴジー)の観点を踏まえた教育内容の再構築が求められる。
著者: 中村香
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報