「専攻分野について,研究者として自立して研究活動を行い,又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養うこと」(大学院設置基準4条)を目的とし,高度な専門性や研究能力だけでなく,研究者としての自立性を養う大学院の課程。大学院設置基準において,以下の設置形態が認められている。2年の博士前期課程と3年の博士後期課程から構成される5年制の博士課程,後期3年の課程のみの博士課程,前期後期の区分がない5年一貫制博士課程,医学,歯学,薬学の一部,獣医学の学部の修行年限を6年としている分野の4年制博士課程がある。入学要件は大学を卒業した者または文部科学大臣の定めるところによりこれと同等以上の学力があると認められた者であるが,博士後期への直接入学の場合は修士の学位および専門職学位を有するかそれとの同等者となる。一般的な修了要件は5年以上在学し,30単位以上を習得したうえで,必要な研究指導を受け,博士論文の審査および試験に合格することである。課程修了者には博士の学位が授与される。
著者: 山崎慎一
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報
…第2次大戦後の学制改革により,アメリカに範を求めた現在の大学院制度(新制大学院)が生まれた。〈学術の理論及び応用を教授研究し,その深奥をきわめて,文化の進展に寄与すること〉(学校教育法65条)を目的とし,博士のほかに修士の学位が設けられ,修士課程,博士課程の2種から成る研究科で構成されるアメリカ型の大学院が設けられ,私立大学では1950年から,国・公立大学では53年から発足した。当初は2年の修士課程とその上に3年の博士課程が設けられる制度であったが,75年以後制度の多様化がはかられている。…
※「博士課程」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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