大学事典 「大学へのアクセス」の解説
大学へのアクセス
だいがくへのアクセス
access to university
大学にアクセスするための一般的な方法は,統一的な大学入学資格を取得したり,共通試験や各大学の個別の入学試験を受けて合格したりすることであるが,実際にはこれ以外にも多くのルートが存在する。多様なルートを整備することにより,幅広い人々が大学へアクセスし,教育を受けることが可能になる。日本を例にすると,推薦入試やAO入試は一般の学力試験で測るのとは異なる基準で,学力以外の能力を基に選抜を行う。とくに優れた能力があると評価された者は,飛び入学制度を用いれば,教育課程を飛び越えて大学にアクセスできる。帰国生や社会人のように,受験対象者の属性を限定した,特別な試験によるルートもある。編入学・転学等の制度を活用し,異なる学部・学科間や教育機関間で移転を行う方法もある。諸事情でいったんは大学から離れた者が大学に通い直すには,復学・再入学の制度がある。広く門戸を開いてアクセスを保障し,学生の多様性を確保することは,世界の大学に共通する課題といえる。
著者: 齋藤千尋
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報