試験(読み)しけん(英語表記)examination

精選版 日本国語大辞典 「試験」の意味・読み・例文・類語

し‐けん【試験】

〘名〙
① 物の性質能力などについてためすこと。また、性能などについて検査すること。
舎密開宗(1837‐47)内「染工其理に達せずと雖も試験歳深くして自ら妙致を暁得し硫酸銕を用るには必ず酒石を配互す」
※火の柱(1904)〈木下尚江〉二一「社会の制裁力を試験せねばなりません」 〔劉迎‐徐夢弼以詩求蘆菔輒次来韻再次前韻詩〕
問題を出して解答させ、理解の程度をしらべ、学業・技術の優劣、また、及落採否などを決めること。考査。エクザミネーション。
朝野新聞‐明治一〇年(1877)一月六日「法律経済学校創設広告〈略〉其学力材能を試験して」 〔開天伝信記〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「試験」の意味・読み・例文・類語

し‐けん【試験】

[名](スル)
ある物事の性質や性能などをためしてみること。また、検査すること。「新建材の耐久性を試験する」「試験飛行」
入学入社登用などの採否を決めるため、問題に答えさせたり実技をさせたりして、学力・知識・能力などを判断・評価すること。考試。考査。「試験に受かる」「実技の試験」「面接試験」「筆記試験
[類語](1実験試行テストエクスペリメント試みる小手調べ腕試し力試し運試し肝試し試走踏み絵トライ(―する)ため験する/(2考査考試試問入試受験テストオーディション

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「試験」の読み・字形・画数・意味

【試験】しけん

実否を試みる。〔三国志、魏、済伝注に引く列異伝に復(ま)たむ。曰く~侯(済、昌陵亭侯)氣彊(つよ)し。感悟しし。故に自ら母に訴ふ。願はくは重ねて侯にせよ。何を惜しみてか、一たびも之れを試驗せざるやと。

字通「試」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「試験」の意味・わかりやすい解説

試験
しけん
examination

一般には物や人,あるいは組織などの性質,性能をためすこと。学校教育においては,被教育者の知識,技術,態度をはじめ,広く知的能力,身体的能力などについて調べることをさす。学校教育は,一定の教育課程に従って,段階的に行われるが,その各段階の教育は被教育者が教授を受けるのにふさわしい状態の時期に行われる必要があり,最終的には教育課程を修了した時点で,所期の目的に到達したかどうかを調べなければならない。このように被教育者の状態を知り,適切な教育の内容,方法,時期を判断するために試験が必要となる。その際,できるだけ誤りの少い推定的情報を獲得することが重要とされ,信頼性や妥当性が要求される。妥当性には,いくつかの側面があるが,教育的妥当性,社会的妥当性,測定的妥当性,推定的妥当性が考慮されなければならない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版 「試験」の意味・わかりやすい解説

しけん【試験】

試験は,人間の能力・資質の評価方法の一つである。その起源は,成人としての能力の有無をためすための通過儀礼(成人式)や,習得した技能の水準を徒弟,職人,親方などの身分・資格認定の条件とする徒弟制度などに求めることもできるが,現代社会における独自の社会制度としての試験の源流は,6世紀にはじまる中国の〈科挙〉にあるとするのが,ほぼ定説になっている。中国の科挙は,世襲貴族にかわる,業績(教養)にもとづいて選ばれた支配階級としての国家官僚の選抜試験制度である。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

知恵蔵 「試験」の解説

試験

ある製品、プロセス、またはサービスが規定された手順に対して1つ以上の特性を決定する技術的操作。

(今井秀孝 独立行政法人産業技術総合研究所研究顧問 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

世界大百科事典内の試験の言及

【学歴社会】より

…それ以前の社会では,人々の地位は身分,家柄,財産などによりあらかじめ決められており,学歴は人々がすでに一定の地位にあることを象徴する役割を果たすにすぎなかった。ところが,18世紀から19世紀にかけて近代的な官僚制度が成立して,行政官僚の試験による任用が始まり,また医師,法曹,教育,技術者のような高度の専門的知識・技術を必要とするプロフェッションについても試験の制度がとり入れられるとともに,学歴はそれら社会的に高く評価される職業につくための基礎資格として,しだいに重要性を増していった。産業社会の学歴社会化は,このように,学歴が特定の職業的地位を獲得するための手段となったときに始まったとみることができる。…

【考試】より

…日本古代の律令制下に学業・技能などを試験し,その成績によって及第および官人への採否を判定すること。《令義解》の学令には,〈学者の道芸を校試するなり〉と公定注釈する。…

【実験】より

…文字どおりには,実際にためしてみるということであるが,この意味では〈試験test〉と変りがないものになる。事実,テストのことを〈実験〉と称することがある。…

【入学試験】より

…入学志願者の中から入学を許可すべき者を決定するために実施される試験。普通は,入学志願者の数が収容定員を超過する場合に行われる。…

※「試験」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

インボイス

送り状。船荷証券,海上保険証券などとともに重要な船積み書類の一つで,売買契約の条件を履行したことを売主が買主に証明した書類。取引貨物の明細書ならびに計算書で,手形金額,保険価額算定の基礎となり,輸入貨...

インボイスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android